『学校で使うAI、結局どれがいいの?』4つの主要AIを整理(先生のためのAIラジオ #03)

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「結局、学校で使うならどのAIがいいんですか?」

研修の現場で最も多く寄せられる質問のひとつです。ChatGPT、Gemini、Copilot、Claude。主要AIが横並びになった今、答えは「一つに絞らない」方向に傾いています。仙台大学のAI教育研究チームの全国調査(2024・2025年、約9000人対象)でも、教員は複数のAIを使い分けるパターンが多数派でした。本記事では4つのAIの使い分けと、選ぶ前に押さえておきたいセキュリティと年齢制限を整理します。

目次

4つの主要AI、それぞれの強みはどこにあるか

ChatGPTはオールマイティで、活用事例の数が圧倒的です。GPTs、音声会話、ディープリサーチなど、最新機能がもっとも早く実装されてきたのもこのAI。複数のPDFを整理させる、アンケートを分析させるといった分析系タスクでも精度が高い印象があります。

Geminiは昨年末あたりから一気に存在感を増しました。最大の強みは画像生成で、Imagenベースの画像生成は顔の一貫性や日本語の扱いが安定しています。加えてコンテキストウィンドウ(AIが一度に把握できる情報量)が100万トークンと一般的なAIの10倍規模で、大量の文章を読み込ませる使い方に向いています。Google Workspaceとの連携もGoogleのAIならではで、Workspace校なら導入がとても簡単です。

CopilotはMicrosoft系の学校と相性が良いAIです。Office連携の期待値は大きい一方、踏み込んだ自動化にはまだたどり着いておらず、アドバイスをくれるところまで、というのが正直な使用感です。

ClaudeはAnthropic社のAIです。オールマイティを追うChatGPTと対照的に、ビジネス・企業用途に振り切ってきたのが特徴で、日本語の自然さは主要AIの中でもっとも安定しています。コーディングが突出していて、簡単な指示からアプリを丸ごと作れる水準です。最近、急激に知名度を上げているAIです。

迷ったときの選び方はシンプルです。Google Workspaceの学校ならGemini、Microsoft 365の学校ならCopilot、個人で使うなら活用事例が豊富なChatGPTから。学校が普段使っているサービスに合わせるのが、運用上もっとも無理のない入り口です。

オプトアウトを知る教員は、5人に1人

AI選びと同じくらい、本当はそれ以上に大事なのがオプトアウト設定です。オプトアウト設定とは、自分が入力したデータをAIの学習に使わせないための設定のことです。

意外と知られていませんが、主要AIの個人向けサービスはデフォルトで学習オンとなっています。何もせずに校務活用に利用すると、そのデータが学習に使われる可能性があります。

ChatGPTは設定画面から、GeminiはGoogleのアクティビティ設定からオフにできます。ただ、個人アカウントと学校発行のGoogle Workspaceでは、セキュリティレベルがかなり違います。Workspaceは最初から学習オフで、人間のレビュアーが確認することもありません。Microsoft 365の教育アカウントで使うCopilot、ChatGPTのチーム版・エデュケーション版も同様です。

仙台大学調査では、オプトアウト設定をしたことがある教員は18.8%でした。学校発行アカウントを使っている先生は最初から安全側にあるケースが多いので実害は数字ほどではありませんが、個人アカウントでAIを使っているなら一度確認しておくことを強くおすすめします。ログインせずにChatGPTやCopilotを使う使い方も、入力内容が学習に使われるため望ましくありません。

出典:仙台大学 AI教育研究チームの調査

13歳の壁と、教育特化AIという選択肢

先生自身が使うAIと、生徒に使わせるAIは判断基準が変わります。最初に押さえておきたいのが年齢制限です。

ChatGPT、Copilot、Claudeは基本的に18歳以上が対象で、13歳以上なら保護者の許可があれば使用可能です。一方、Geminiは個人利用だと13歳以上保護者の許可ですが、Google Workspace管理下なら全年齢OKです。小学生が使えるテキスト生成AIは、実質的にWorkspace版Geminiか、教育機関向けに作られたAIサービスに限られます。

教育特化型のAIサービスは、汎用AI(ChatGPTやGemini)にはない3つの機能がメリットになります。
一つ目はログ監視機能で、生徒がAIをどう使っているか(答えを丸写しにしているのか、創作のサポートに使っているのか)を把握しリテラシー教育の改善につなげられます。
二つ目はコンテンツフィルタリングで、汎用AIより厳しく制御できます。
三つ目はソクラテスモードの強制適用です。すぐに答えを教えず「どう思う?」と考えを促すモードは汎用AIにもありますが、生徒自身で外せてしまうため現場では浸透しにくいのが実情。教育特化ツールならデフォルトで固定できます。

仙台大学調査では、AIのカンニング懸念は2024年の26.3%から2025年に43.9%へ急増しました。安易に答えを求める使い方を防ぐ仕組みが、学校単位で必要になってきている局面です。

まとめ:AI選びの前に、設定と安全性の確認を

どのAIを使うかに目が行きがちですが、本当に大事なのはオプトアウト設定をしているかどうか、そして生徒が安全に使えるAIを選べているかどうかです。個人アカウントを使っている先生は、まずオプトアウトの確認から。生徒に使わせるなら、年齢制限や安全性を基準に選ぶ。「結局どれがいいの?」の答えは学校の環境によって変わりますが、設定と安全性の確認は共通の入り口です。

番組を聴く

「先生のためのAIラジオ」#03 はこちらからお聴きいただけます。

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著者

AI教育コンサルタント / 株式会社FlipSilverlining 代表取締役 / 守谷市生成AI活用推進プロジェクトアドバイザー
自治体のAI教育アドバイザーや私立中高の教育コンサルとして学校現場に入りながら、AI時代の教育について書いています。著書3冊(明治図書)、教員研修・講演120回以上、授業視察1,000回以上。

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