2014年4月20日(日)に「親子で楽しむ高田馬場☆春の宇宙教室」を開催しました。弊社主催の初めてのイベントでしたが、多くのご支援と応援のおかげで、子供38名、大人46名、あわせて84名もの親子に参加して頂きました。
開催からだいぶ日が空いてしまいましたが、感謝の気持ちを込めて、春の宇宙教室開催レポートをお届けします。
高田馬場宇宙教室とは
「都会に住む子供たちに、満天の星空を見せてあげたい」
そんな想いから、宇宙教室はスタートしました。私たちは、宇宙という題材を通して子供たちに「学ぶことの楽しさと喜び」を伝えていきたいと思っています。そして、春夏秋冬の年4回の宇宙教室を通して、「最先端の天文学」と「現代の宇宙観」を、親子で楽しみながら体験できるようにプログラムを組みました。
全4回の宇宙教室の初回となる「親子で楽しむ高田馬場☆春の宇宙教室」では、子供たちに大人気の「大迫力3D(スリーディー)映像」と「専門家による分かりやすい解説」で、太陽系をテーマに開催しました。
今回の春の宇宙教室は、厳しい予算だったのにも関わらず、様々な方の協力に支えられながら実現することができました。参加費無料で開催できたのも、ひとえに協賛企業様方に恵まれたおかげです。また、イベント当日にはスタッフとして多くの友人達にも助けてもらいました。この場を借りて、改めてお礼申し上げます。
※協賛企業:東京三協信用金庫/CASE Shinjuku(株式会社まちづくり高田馬場)/高田馬場新聞/高田馬場総合法律事務所/有限会社アクト企画
会場は、裸足でくつろげるコワーキングスペース『CASE Shinjuku(ケイス新宿)』
宇宙教室の会場として使わせてもらったのは、高田馬場駅から徒歩3分の好立地にある『CASE Shinjuku(ケイス新宿)』です。
CASE Shinjuku(ケイスシンジュク)| 東京都新宿区高田馬場駅徒歩1分にあるシェアオフィスとコワーキングスペースが併設したメンバー制オフィス
高田馬場駅のビックボックス口を出てすぐ、1階にケンタッキー入ったビル。その4階に、会場となるケイス新宿はあります。
入口には宇宙教室のポスターを貼らせてもらいました!
ドアを開けると…
すぐにエントランスがあり、ここで靴を脱ぐことができます。
フローリングには国産の無垢材(杉、檜)を使っているので、安心して裸足でもくつろげます。心地よい木の香りに、子供達もすっかりリラックスしている様子。
『CASE Shinjuku(ケイス新宿)』は、株式会社まちづくり高田馬場が運営するコワーキングスペース。宇宙教室のようなイベントの無い平日は、編集者やライター、クリエイター、社会起業家たちが集まって仕事をしています。何を隠そう、私もその中の一人。開放的でリラックスした雰囲気の中、集中して仕事に取り組めるのでとっても愛用しています。ケイス新宿の詳しいプランはこちらをご覧ください。
ゲスト講師は日本宇宙フォーラムの研究員で、元JAXAの高木俊暢氏
今回のゲスト講師は、宇宙開発の支援活動をしている財団、日本宇宙フォーラムで研究員をされている高木俊暢(たかぎとしのぶ)氏です。
高木氏のご専門は、宇宙望遠鏡を使った赤外線による宇宙観測。具体的には、銀河の誕生や進化について研究をされています。宇宙・天文学の普及活動にも明るく、JAXA宇宙科学研究所では広報をされていた経験もあります。
高木氏は、宇宙の難しい話を簡単な言葉で分かりやすく説明する専門家としても有名なんです。これまでに沢山の宇宙イベントに関わってこられ、講師やファシリテーターとしても活躍されています。「科学と社会の橋渡し」をしている私にとっては、憧れの大先輩でもあるのです。
実は、私と高木氏はこれまで面識が無く、今回の宇宙教室が初めての出会いでした。急なお願いだったのにも関わらず、「子供たちに宇宙の魅力を伝えていきたい」という想いに共感してくださり、二つ返事で宇宙教室の講師を引き受けてくださりました。本当にありがとうございます。
当日のタイムテーブル
当日は次のようなタイムテーブルに沿って進行しました。
<タイムテーブル>
13:30〜14:00 開場
14:00〜14:05 開会式14:05〜14:50 1時限目
『飛び出す宇宙!大迫力3Dスペース・トラベル〜高田馬場の星空から太陽系へ〜』 福原将之先生14:50〜15:00 休憩
15:00〜15:45 2時限目
『宇宙の広がりと星々の世界〜太陽系を取りまく宇宙の大きさと星の一生〜』 高木俊暢先生15:45〜16:00 閉会式
司会進行はケイス新宿の森下さんにご協力頂きました。森下さん、ありがとうございます。
開場後、受付では3D映像のための赤青メガネが全員にプレゼントされます。好奇心旺盛な子供たちにとっては、赤青メガネは恰好のおもちゃ。宇宙教室が始まるのを、楽しみながら待っています。
赤青メガネの使い方を教わったら、いよいよ宇宙教室スタートです。「準備はできたかな?」のかけ声に、元気よく返事をしてくる子供たち。
1時限目は「飛び出す宇宙!大迫力3Dスペース・トラベル〜高田馬場の星空から太陽系へ〜」
1時限目は「飛び出す宇宙!大迫力3Dスペース・トラベル」。国立天文台が開発した宇宙遊泳・プラネタリウムソフト「Mitaka(ミタカ)」を使って、宇宙旅行を3D(スリーディー)で疑似体験していくコーナーです。Mitakaについては、以前に紹介記事を書いていますので、こちらをご覧下さい。
とっても簡単!宇宙遊泳・プラネタリウムソフトMitaka(ミタカ)のインストール方法 | 福原将之の科学カフェ
スペーストラベルの最初は、お約束の「春の星座紹介」。高田馬場の星空からスタートです。光が遮蔽された暗闇の中、前方のスクリーンに映し出される満天の星空。想像以上の星の数に驚き、思わず息をのむ子供たち。その美しさは、大人の参加者からも「おぉ…」と感嘆の声が上がるほどでした。
「春の星座紹介」の後は、いよいよ宇宙に向かって出発です。高田馬場の空から飛び立ち、太陽系の惑星を巡っていきます。
火星では「太陽系で一番高いオリンポス山」を探検したり、土星では「氷のリング(環)」に関するクイズに答えたり。また、スペーストラベルの後半では、子供たちに宇宙遊泳ソフト(Mitaka)の操作も体験してもらいました。
1時限目の後は10分間の休憩タイム。と思いきや、目を輝かせた子供たちが集まってきて、先生を質問攻めに!こんなにも多くの子供たちが宇宙に興味をもってくれて、本当に嬉しかったです。講師冥利に尽きる瞬間。
2時限目は「宇宙の広がりと星々の世界〜太陽系を取りまく宇宙の大きさと星の一生〜」
2時限目は「宇宙の広がりと星々の世界」というタイトルで、高木氏に宇宙の大きさと星の一生について講演してもらいました。まず最初は、天文学とは切っても切れない「光の速さ」についてのお話です。普段の生活ではなかなか体感できない「光の速さ」を、オリジナルのアニメーションを使って教えてくれました。
例えば、地球と月の距離は約38万4千kmなので、光の速さだと1.3秒で移動できます。そんなすごい速さを持つ光でも、太陽から一番近い恒星まで移動するのに約4.2年もかかるのです。光は速い。でもそれ以上に、宇宙は広いのです。
次に、宇宙にある星の大きさを比較する動画が上映されました。小さな天体である冥王星や月から始まり、太陽、シリウス、アルデバラン、さらには太陽の約1,000倍もあるオリオン座のベテルギウスなどが順々に映し出されます。「これでもか!これでもか!」というぐらいに次々と大きい星が紹介され、これには大人も子供もビックリ。
最後は、風船を使って宇宙膨張のしくみを体感しました。宇宙はビッグバンで誕生してから広がり続けていますが、そのしくみを体感するのに風船はうってつけなのです。マジックで星を描いた風船を、楽しそうに子供たちが膨らませていきます。宇宙である風船が膨らむにつれて、星と星とが離れていくのが分かりますね。
記念撮影をして閉会
参加者・スタッフを交えた記念撮影の後、盛況のうちに約2時間の春の宇宙教室は終了しました。
今回の春の宇宙教室の様子は、高田馬場新聞さんでも記事にしてもらいましたので、良かったらそちらもご覧下さいね。また、本記事で紹介できなかった宇宙教室の写真は、Facebookページで公開しています。
高田馬場新聞 | 親子で楽しむ「高田馬場☆春の宇宙教室」を開催しました。
Facebook 福原将之の科学カフェ | 2014年『親子で楽しむ高田馬場☆春の宇宙教室』の記念アルバム
次回の「夏の宇宙教室」は7月27日、テーマは天の川
次回の「親子で楽しむ高田馬場☆夏の宇宙教室」のテーマは天の川。都会ではなかなか見られない「天の川」の美しい姿を、大迫力の3D映像でお届けします。この夏、子供たちと一緒に「天の川の秘密」に迫ってみませんか?
開催日時は7月27日(土)の午後2時、高田馬場(ケイス新宿)で行います。参加費は今回も無料!宇宙教室は1回ごとに完結した内容となっていますので、春の宇宙教室に参加されなかった方も安心して楽しめます。興味のある方はぜひ、こちらから申し込みをしてくださいね。
夏の宇宙教室でお会いできるのを楽しみにしています!