この数ヶ月で、Geminiのニュースが相次ぎました。Gemがなくなる。新しいモデルが出た。断片的に耳に入ってきても、学校で使っているGeminiで何が変わり、何が使えるようになるのかまでは、なかなか追いきれないものです。ポッドキャスト「先生のためのAIラジオ」第31回では、学校の先生に関係するニュースを5つに絞ってお届けします。
Geminiのカスタム機能「Gem(ジェム)」が提供中止

1つ目は、影響が大きく、少し残念なニュースです。Geminiのカスタム機能「Gem(ジェム)」が、使えなくなります。役割や指示をあらかじめ仕込んでおける機能で、Google Classroomで生徒に配ることもできます。Geminiを自由に使わせずに、役割を決めたAIだけを使わせられるので、現場で活用している先生がたくさんいます。
ただ、学校のアカウントなら少なくとも2027年6月1日までは使えます。11月17日からはGemの入り口がGeminiの「設定」の中に移りますが、その後も使い続けられます。慌てずに、ゆくゆくはなくなる機能だと意識して使っていきましょう。
代わりの新機能「スキル」、Gemと何が違う?

2つ目は、Gemの代わりとなる新機能「スキル」です。ひと言で言えば、ショートカットのような機能です。プロンプトや添付ファイルをまとめて登録しておき、入力欄で「@」から呼び出すと、登録した指示どおりに動きます。たとえば保護者へのメールの返信文づくりを、「@保護者返信メール」のように入力するだけで実行できるようになります。
Gemとの大きな違いは、使う場所です。Gemには専用の画面があり、設定したこと以外はできません。スキルは、通常のGeminiの入力欄で、道具を選ぶように呼び出します。大人にとっては使い道の広い機能です。先生が自分で使ってきたGemは、スキルの下書きとして自動で移行される予定なので、作った労力も無駄になりません。
気をつけたいのは、生徒に使わせるために役割を絞ったGemです。スキルは普段のGeminiの中で使うので、生徒がスキルを呼ばずに普通に質問すれば、そのまま答えが出てきてしまいます。こうしたGemが担っていた役割は、スキルでは正直難しいでしょう。
スキルは、学校のアカウントにも10月13日から順に展開されています。収録の時点ではまだ届いていませんでしたが、11月中旬までに行き渡る予定です。Geminiの画面左下の「設定」から「スキル」を開き、「作成」から「Geminiで作成」を選ぶと、Geminiと対話しながら作れます。生徒に使わせるGemの代わりをどうするかは、番組でも改めて取り上げたいと考えています。
最新モデル「Gemini 4 Argon」登場!でも学校では使えない?

3つ目は、Googleの最新モデル「Gemini 4 Argon(アルゴン)」です。9月30日に発表され、10月13日から一般に提供されています。使えるのは、個人向けの有料プランGoogle AI ProとGoogle AI Ultraの利用者で、学校のアカウントでは今のところ使えません。文章や日本語の力の評価が高く、GoogleのAIにようやく大きな変化が出てきた、と受け止められています。
学校のアカウントに次に来そうなのは、Gemini 3.8の思考モードです。私の会社用Google Workspaceでは、すでに使えるようになりました。学校のアカウントは、セキュリティなどの管理がしっかりしている分、新しい機能が入るのが遅くなりがちです。それでも、もうしばらくすれば使えるようになるでしょう。日本語の力も上がっているので、しばらくGeminiから離れていた先生も、楽しみに待っていてください。
Canvasモードで作ったアプリを、ワンクリックでGoogleサイトへ

4つ目は、地味に嬉しいニュースです。GeminiのCanvasモードで作ったアプリを、ワンクリックでGoogleサイトに載せられるようになりました。第15回では、Googleドライブで共有する方法と、Googleサイトに手作業で貼り込む方法を紹介しました。今は、Canvasの「エクスポート」から「Google サイト」を選ぶだけで、アプリの入ったサイトができあがります。できるのは非公開の下書きなので、見られる範囲を決めてから公開しましょう。私も研修でよく使っています。AIを使った教材や校務のアプリを作っている先生は、ぜひ試してみてください。
配信したGemini Notebook、生徒はどう使っている?

5つ目も、地味ながら嬉しい新機能です。Google Classroomで配信したGemini Notebookを、生徒がどう使っているか、先生が確かめられるようになりました。授業ページの「クラスの学習ツール」で、配信したノートブックの分析情報を「もっと見る」から開きます。生徒ごとに、開いたか、会話を始めたか、スタジオの機能を使ったかが分かります。パソコンに向かう生徒の様子は、机間巡視をしても、AIをどこまで使っているかまでは見えにくいものです。配った教材がきちんと使われているかを確かめられ、作った側のやりがいにもつながります。
番外編 収録後、Gemini Notebookに海外の教科書が加わった
最後に、収録のあとに入ったニュースを1つ。米国時間の10月29日、Googleは、Gemini Notebookで数百冊の教科書を無料でソースに加えられるようにしたと発表しました。提供元はアメリカとインドの出版社などで、教科書をもとに、引用つきの回答や学習ガイド、練習クイズ、フラッシュカードを作れます。ただ、日本の教科書は入っていません。教科書とAIの組み合わせを、Googleのようなプラットフォームが担うのか、教科書会社が担うのか。日本ではどこに落ち着くのか、これからの動きに注目したいところです。
番組を聴く
本編では、ここまでの5つのニュースを、あきお先生との対話で掘り下げています。中でも聴いてほしいのは、収録中にあきお先生が自分のClassroomを開き、配信したGemini Notebookの使われ方をその場で確かめる場面です。それまで開いた人数しか見ていなかったあきお先生が、思わず「作っといてよかった」とこぼした理由は、ぜひ本編で。
「先生のためのAIラジオ」#31 は、こちらからお聴きいただけます。通勤時間や朝の準備のお供にどうぞ。
GeminiのCanvasモードで動く教材を作る手順は、#15 AIで動く教材を作ろう!授業活用の簡単な始め方で紹介しています。
