動画生成AI、気にはなるけれど、触ったことはない。
そんな先生は多いのではないでしょうか。動画生成AIは有料プランが前提のものが多く、無料の範囲ではすぐに利用の上限に達してしまいます。きっかけがないまま、ニュースで見かけるだけになりがちです。ポッドキャスト「先生のためのAIラジオ」第23回は、前回に続いて台本なしの雑談回。番組パーソナリティのあきお先生が夏休みの研修で体験してきたAIでの動画づくりについて、たっぷり聞きました。
絵を1枚作って、動かして、つなぐ

あきお先生は、教員向けの夏休み研修に3年続けて参加しています。今年選んだのは、動画づくりのコースでした。AIで動画の素材を作り、それを編集して1本のショートムービーに仕上げるという内容です。ストーリーの大枠はあらかじめ用意されていて、寝坊したアヒルのおもちゃが、デートの待ち合わせ場所へ急ぐという設定。途中からどんな展開にするかは、参加者がそれぞれ考えます。
作り方の流れはこうです。まず、画像生成AIで各シーンの静止画を1枚作ります。研修では定型のプロンプトが用意されていて、どんな状況かを書き込めば絵が出てきます。次に、その絵を動画生成AIに渡して「この画像を動かして」と頼むと、5秒から10秒ほどの動画になります。これを何本も作ってつなぎ合わせると、1分ほどの作品になるわけです。画像はGemini、動画はRunwayを使ったそうです。
海に飛び込んで水中を進み、そのまま空へ飛び立つ。あきお先生が頭の中で思い描いたシーンが、次々と映像になっていきます。動画生成AIの一番の魅力は、この「頭の中のイメージを形にできる」ところにあります。一方で、細かな動きまでは思いどおりにならない場面もあり、作り直しには時間もかかります。どんな失敗があったのかは、ぜひ番組で聴いてみてください。
デジタルの創作は、優劣が出にくい

動画づくりは、生徒の創造性を引き出す活動でもあります。あきお先生の学校では、夏期講習として動画編集ソフトの入門講座を開いたそうです。背景にあるのは、総合型選抜などで探究の成果を動画で提出させる大学が出てきていること。動画編集は、生徒が身につけておきたいスキルになりつつあるのです。受講した生徒たちは、あれもしたい、これもしたいと、どんどんクリエイティブになっていったといいます。
なぜ生徒はデジタルの創作に惹かれるのでしょうか。あきお先生の見立てはこうです。楽器は弾けなければ始まりませんし、絵は上手い人と下手な人の差がはっきり出ます。それに比べて、デジタルで作るものは、素人目にはそれほど優劣が出ません。スマホがあればすぐに撮れて、パソコンがあれば形になる。だから、自分の作品を人に見てもらい、評価される気持ちよさを、誰もが味わえるのです。
間にAIを挟めば、その敷居はさらに下がります。絵や音楽が苦手な子の創造性を引き出すうえで、AIが力になる場面がここにあります。
動画作成の出番は授業よりイベント

動画づくりや動画生成AIを使うスキルは、先生の仕事のどこで役立つのでしょうか。番組で提案したのは、学校紹介ムービーや、保護者会・説明会のオープニングで流す素材づくりです。もとになる写真や画像さえあれば、プロンプト次第でどのようにも動かせます。あきお先生の感触では、授業というより「お祭り系」、つまり文化祭のようなイベントに向いているとのことでした。
生徒たちは動画づくりが大好きです。ただ、AIを使った動画はまだあまり見かけないといいます。有料で利用制限もあるという壁はありますが、今年の文化祭あたりから、AIで作った動画を出すクラスが現れそうだという話になりました。
一方で、日々の校務での使い道となると、あきお先生もまだピンと来ていない様子でした。「こんなことに使えますよ」というアイデアをお持ちの方は、ぜひ番組のお便りフォームから教えてください。
番組を聴く
動画生成AIがどんなものかを知るには、実際に触った人の話を聞くのが一番の近道です。記事でお伝えしたのは、作り方の流れと使い道の見通しまで。番組ではさらに、去年の研修で最新だったことがもう古く感じるという話や、動画生成AIと物理法則の小ネタまで、話題が広がっています。
「先生のためのAIラジオ」#23 はこちらからお聴きいただけます。
