「教育業界、いまどこまでAIで動いている?」
日々の現場では見えにくい業界の現在地を知るには、年に一度東京で開かれる教育展示会EDIXが絶好の機会です。ポッドキャスト「先生のためのAIラジオ」第8回では、EDIX 2026の現場を歩いて見えた業界の今と、AIエージェントの登場で動き始めた『次』のパラダイムを掘り下げました。
会場の主役は、やはりAIだった

東京ビッグサイトで開催された日本最大の教育展示会EDIX。文部科学省・経済産業省など教育関係機関も後援する、業界最大の催しです。今年も会場は熱気に包まれていました。
会場で感じた一番の印象は、多くの企業がAIを目玉として大きく打ち出していたということです。NECやセールスフォースなどの大手企業のブースでも、既存の業務システムにAIを組み込んだ形で展示されており、業界の注目度の高さが伝わってきました。教育業界のAIは、成長期から成熟期へと移ろうとしている時期と言えるでしょう。
3年前のEDIXでは小さなブースだった教育特化のAIサービスが、今年は体験ブース付きの大きなスペースに広がっていたことも印象的です。市場が広がり、サービスが伸びてきた証拠を、毎年通っているからこそ実感できました。
会場で気になったサービス、いくつか
今年のEDIXで気になったサービスを、いくつかピックアップして挙げておきます。
- Apple(初出展):Appleらしいブースで、担当者からじっくりお話を聞けました
- デジタル採点のAI化:記述問題もかなりの精度で採点できるレベルに到達
- チャット系AIの音声会話機能:英会話を念頭に置いた機能が、セキュアな学校契約サービスでも実装され始めた
- AIと組み合わさったロボット:Pepperくんのようなロボットが、AIと組み合わさって再注目される動き
- メタバース×AIチューター:仮想空間で学習を支援するAIチューターの取り組み
- アナログのカードゲーム教材:授業の中で活用する取り組みが紹介
それぞれの中身や、担当者から聞いた裏話については、番組で踏み込んでお話ししています。

変化のキーワードはAIエージェント
ここまでがEDIXで見えてきた教育業界の現状です。しかし、AIが教育業界に与える変化はこんなものではなりません。
そのキーワードとなるのが、いまバズワードになりつつあるAIエージェントです。チャットで指示を出すだけで、AIが調査し、文書を作り、コードまで書いてしまうような技術。これから2026年の1年で、ビジネスの世界に一気に広がっていく見込みです。
教育業界はまだここまで追いついていない印象ですが、その先で待っている『次』のパラダイムは、もう目の前に近づいてきています。

学校は『使う側』から『作る側』に回れる
これまでの教育業界は「企業が作ったサービスを学校が選んで使う」というパラダイムで動いてきました。AIエージェントが連れてくる『次』のパラダイムは、これとはまったく違います。
学校で「あったらいいな」と思ったものが、先生の手でそのまま形になる。そんな景色が広がりつつあります。
たとえば、ある私立校高校では、ChatGPTを壁打ち相手にしながら、自校の履修システムを先生自身で開発しました。プログラミング専門ではない先生が、AIに相談しながらシステムを組み立てたのです。ほかにも、時間割管理や退勤管理のシステムを先生・事務職員が自分たちで手作りしている学校もあります。本来なら大きなコストをかけて外注するような業務システムが、現場の手作りで動き始めているのです。
学校がシステムを開発するのは、これまで特別なプログラミング技術を持つ人だけの世界でした。それが、AIの登場で一気に敷居が下がっています。AIエージェントを壁打ち相手に「こういうものが欲しい」と話せば、必要なものはかなりのところまで形になります。残るのは「どんな仕組みが自校に必要か」を考え、AIと対話する根気だけです。学校は『使う側』から『作る側』に回れる時代が、もう目の前に来ているのです。

まとめ
EDIX 2026で見えた業界の現在地と、その先で動き始めている『次』のパラダイム。AIエージェントが連れてくる『次』とは、学校が単に新しいサービスを使うのではなく、必要なものを自分たちで作り出せるステージです。
「これ、AIで自分たちで作れるんじゃないか?」。校務のなかで一度でもそう感じたことがあれば、それはもう、最初の一歩を踏み出せる位置にいるという証拠ではないでしょうか。
EDIX会場で聞いた裏話から、AIエージェントが連れてくる『次』のパラダイムの話まで、番組ではあきお先生と一緒に深掘りしています。ぜひ本編をお聴きください。
番組を聴く
「先生のためのAIラジオ」#08 はこちらからお聴きいただけます。
