文部科学省の中央教育審議会において、次期学習指導要領に向けた注目すべき改革案が検討されています。高校の必修科目「数学Ⅰ」の内容を見直し、人工知能(AI)の仕組みやデータサイエンスの理解に必要な基礎的内容を新たに組み込むというものです。
「社会を読み解く数学(仮称)」という名称で、これまで別々に扱われていた「ベクトル」「行列」「確率」など、AIやデータサイエンスの基礎となる理論を体系的に学習できる構成が検討されています。さらに、数学A〜Cを統合し、1つの科目にする案も併せて検討されているとのことです。
これまで情報科や技術科が主にAI関連の内容を扱ってきましたが、数学科においても社会の変化に対応した学習内容を取り入れる文部科学省の姿勢は、時代のニーズを的確に捉えた重要な改革といえるでしょう。2032年度からの高校への導入予定と、実施までには時間がありますが、次世代の子どもたちにとって意義深い変革となることが期待されます。
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文部科学省は22日、高校の必修科目「数学Ⅰ」の内容を見直し、人工知能(AI)の仕組みやデータサイエンスの理解に必要な基礎的な内容を新たに盛り込む案を示した。AIが急速に普及するなか、文系・理系を問わず全ての高校生に学んでもらう。
次期学習指導要領について議論する中央教育審議会の作業部会で見直し案を提示した。2032年度から高校に導入予定の次期指導要領から適用する見通しだ。
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