学校向け G Suite 導入の手引き(8)生徒・保護者のアカウント作成

学校向けG Suite 導入のノウハウです。前回はメールサーバーを切り替えてG Suiteの本格運用を開始する方法について紹介しました。今回は生徒・保護者向けにG Suiteのアカウントを作成する方法です。名簿作成のポイント(メールアドレスやパスワードの決め方)やCSVインポートの方法などについて紹介したいと思います。


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5.1 生徒・保護者の名簿の作成

G Suite上でアカウントを作り始める前に、まずは「生徒の名簿」と「保護者の名簿」を用意します。名簿はエクセルなどで作成しましょう。「生徒の名簿」と「保護者の名簿」は、別のエクセルファイルに分けて作成しておくと便利です。名簿で必要な項目は、次の8つです。

  • 学年(例:中学1年, 中学2年, 中学3年, …)
  • クラス(例:1組, 2組, 3組, …)
  • 出席番号(例:1, 2, 3, 4, 5, 6, …)
  • 姓(名前)
  • 名(名前)
  • メールアドレス
  • パスワード(8文字以上)
  • 組織部門(例:/生徒/中学1年, /保護者/中学1年 )

名簿の作成で一番困るのが、メールアドレスとパスワードだと思います。

生徒のメールアドレスについては、進級しても変わらないIDを使うようにしましょう。名前からmasayuki_fukuhara@testschool.ed.jpと決める方法もありますが、これを全校生徒分を用意するのは大変です。同姓同名がいた場合、ややこしくなりますし、避けた方が良いでしょう。

お勧めは、学籍番号からメールアドレスを決める方法です。生徒のメールアドレスを「学籍番号@testschool.ed.jp」とすれば、卒業しても誰とも被りませんし、生徒も覚えやすいのでお勧めです。

保護者のメールアドレスは、生徒のメールアドレスの冒頭か末尾に「p」をつけると良いでしょう。「p学籍番号@testschool.ed.jp」となります。「p」はparent(保護者・親)のpです。もちろん「p」以外の英数字でも大丈夫ですが、文字数が多くなると覚え辛くなるので気をつけてください。

パスワードについては、かならず全生徒・全保護者で違うパスワードを使用しましょう。教職員アカウントを作った時のように「初期パスワードを同じにして初回ログイン時に変更させればOK」と思うかもしれませんが、生徒・保護者のメールアドレスは推測しやすいですし、トラブルの原因になるためお勧めしません。

パスワードの作り方は、エクセルの関数を使って生成することができます。こちらのサイトなどを参考にしてみてください。エクセルの作業が苦手という方は、無料のwebサービスで大量に作成することができます。こちらのサイトなら、1回で1,000人分のパスワードが作成できますので、リストをダウンロードしてコピペすればOKです。

組織部門については、「2.2 G Suite内部の組織の構成を決める」で作成した組織部門を入力していきましょう。保護者と生徒でしたら、例えば次のようになるでしょう。エクセルの文字列結合「&」を使えば、簡単に作成できると思います

  • /生徒/2020中学1年
  • /生徒/2020中学2年
  • /生徒/2020中学3年
  • /保護者/2020中学1年
  • /保護者/2020中学2年
  • /保護者/2020中学3年

名簿が作成できたら、学年・クラス・出席番号でソート(並び替え)をしておきましょう。

5.2 名簿を使ってインポート

生徒と保護者の名簿が作成できたら、CSVファイルを作成してアカウント登録を行います。インポートの方法は、教職員アカウント作成で説明した「CSVファイルで一括作成する方法」とほとんど同じです。詳しいやり方は、そちらの記事ををご覧ください。

教職員アカウントの作成と異なる点は1つだけあります。それはChange Password at Next Sign-Inの項目です。

「Change Password at Next Sign-In」は、「次回ログイン時にパスワードの変更を要求する」です。値が「True」ならパスワードを変更させますし、「False」ならパスワードは変更しなくても大丈夫になります。

セキュリティ的には「True」の方が望ましいのですが、今は休校期間中ですので「False」の方が良いと思います。

生徒や保護者がパスワードを変更した後に新パスワードを忘れてしまうと、パスワードの再設定が必要になります。パスワードを再設定をするには学校に電話で問い合わせをしてG Suite管理者に連絡をとり、管理者が管理画面からパスワードにリセットをかけて・・・といった一連の業務が多発します。しかし初期パスワードのまま変更していなければ、パスワードを忘れてしまっても配布プリント等でパスワードを確認するだけでことが済むからです。

もちろんセキュリティを重視するのであれば、「Change Password at Next Sign-In」を「True」にすればOKです。ICTを担当する先生同士で相談して、判断するようにしましょう。