学校向けG Suite 導入のノウハウです。前回はG Suiteの教職員アカウント作成する方法・前編について書きました。作成するアカウントの名簿とG Suite内部で使用する組織部門が用意できたら、G Suiteの管理コンソールからアカウントを作成していきましょう。今回はアカウントを1人ずつ作っていく方法と、CSVファイルを使って一括で作成する方法の2つを紹介します。
1人ずつ作成する方法
G Suiteの教職員アカウントは、管理コンソールのユーザー管理ページから作成することができます。
ユーザー管理ページに移動すると、次のような画面が表示されます。
教職員のアカウントを作る前だと、管理者アカウントが1つだけ表示されている状態だと思います。このページ上部にある「新しいユーザーの追加」をクリックすると、アカウント作成のためのウィンドウが表示されます。
こちらのウィンドウに作成したいアカウントの情報(姓・名・メールアドレス・初期パスワード・組織部門)を入力していきます。組織部門の箇所は、入力欄の右側にあるペンのアイコンをクリックすると、前回作成した組織部門を選ぶことができます。(次の画像を参照)
初回ログイン時にパスワードを変更させたい場合は、アカウント作成画面の一番下にある「次回ログイン時にパスワードの変更を要求する」にチェックを入れればOKです。最後に画面右下の「新しいユーザーの追加」をクリックすれば、アカウント作成完了です。
CSVファイルで一括作成する方法
教職員の人数が20人〜30人程度であれば、先ほど説明した方法で1人ずつ作成する方法が簡単で早いです。しかし人数が50人や100人ともなると、1人ずつ作成するのはとても大変です。その場合は、CSVファイルで一括作成する方法にチャレンジしてみてください。(ちなみに生徒・保護者のアカウントもいずれ作成する必要があるで、一括作成の方法は避けては通れません!)
CSVファイルで一括作成をするには、ユーザー管理ページにある「ユーザーの一括アップロード」をクリックします。
「ユーザーの一括アップロード」をクリックすると、ユーザーを一括で作成するためのウィンドウが表示されます。
こちらの画面から「作成したいアカウント情報を追記したCSVファイル」をアップロードして一括作成を行うことができます。一括作成をするためには、専用のファイル(CSVテンプレート)を使う必要があり、そのファイルもこの画面でダウンロードすることができます。
専用のファイル(CSVテンプレート)をダウンロードすると「users.csv」が手に入りますので、エクセルなどのソフトで開いてみましょう。
users.csvのファイルを開くと、非常に多くの列が用意されていることが分かります。全部で27項目もありますが、実際に使用する項目はそんなに多くありませんので安心してください。今回、使用するのは次の6項目になります。
- First Name [Required]
- Last Name [Required]
- Email Address [Required]
- Password [Required]
- Org Unit Path [Required]
- Change Password at Next Sign-In
末尾に[Required]が付いているのは「必須項目」の意味です。それぞれの項目の意味をみていきましょう。First Nameは名(名前)、姓(名前)、Email Addressはメールアドレス(例:fukuhara@testschool.ed.jp)、Passwordはパスワード(6文字以上)、Org Unit Pathは組織部門、そしてChange Password at Next Sign-Inは「次回ログイン時にパスワードの変更を要求する」です。
組織部門(Org Uit Path)の書き方は特殊なので注意が必要です。前回に紹介したテンプレートを例に説明すると、次のように書く必要があります。スラッシュ(/)を付け忘れないように気をつけてください。
- /常勤教員
- /非常勤教員
- /職員
- /生徒/2020中学1年
- /生徒/2020中学2年
- /生徒/2020中学3年
- /保護者/2020中学1年
- /保護者/2020中学2年
- /保護者/2020中学3年
- /卒業生/生徒
- /卒業生/保護者
- /その他
Change Password at Next Sign-In(「次回ログイン時にパスワードの変更を要求する」のチェック)は、TrueかFalseで記述します。初回ログイン時にパスワードを変更させたい場合は、Change Password at Next Sign-Inに「 True 」を入力してください。
user.csvに作成したいアカウント情報を入力をすると、例えば次のようになります。
上の画像だと画面が切れて見えませんが、Change Password at Next Sign-Inの列には True が入力されています。あとはこれを保存すればOKです。
このようなCSVファイルが完成したら、先ほどの画面からアップロードをすれば良いのですが、その前に必要な作業が1つだけ残っています。それは「文字コードをUTF-8に変更すること」です。
文字コードをUTF-8に変更する方法
※ CSVファイルを作成したパソコン環境によっては、文字コードを変更する必要がない場合もあります。その場合は、この作業は飛ばしてください。
「文字コードもUTF-8も聞いたことがない!」という方がほとんどだと思います。これを説明すると難しい上に長くなってしまいます。そこで端的にこの作業が必要な理由説明すると「文字コードをUTF-8に変更しないと、Googleのサーバーがこのファイルを正常に読み込めない」となります。
Excelのバージョンが2016以降でしたら、文字コードの変更は簡単です。「ファイル」→「名前を付けて保存」を選び、ファイル形式を「CSV UTF-8(コンマ区切り)(.csv)」で保存すればOKです。
Excelのバージョンが2016より前の人は、別のソフトを使ってCSVファイルの文字コードをUTF-8に変更する必要があります。Windowsの場合は、標準でインストールされている「メモ帳」を使って変更することができます。「メモ帳」を使ってCSVファイルをUTF-8に変更する方法は、こちらのサイトをご覧ください。
Macの場合でも、標準でインストールされている「テキストエディット.app」を使って変更することが可能ですが、すこし操作が複雑になってしまいます。個人的にお勧めなのが、「mi」というテキストエディタを使う方法がお勧めです。「mi」をインストールする必要はありますが、操作はとても簡単です。こちらのサイトをご覧ください。
CSVファイルを添付してアップロード
CSVファイルをUTF-8に変更できたら、ユーザー管理ページの「ユーザーの一括アップロード」ウィンドウからアップロードしてみましょう。
「CSVを添付」ボタンから、先ほど作成したCSVファイルを添付したら、右下の「アップロード」ボタンを押せばOKです。
これで操作の説明は終わりですが、最後に一つアドバイスがあります。それは「最初にCSVファイルで一括作成をする時は、いきなり全員分のアカウントを作ろうとせずに、まずは1人分のアカウント作成を試してみる」ことです。
アカウント1名であれば、短時間でCSVファイルの間違いを発見して修正することができます。しかし、最初から全員分で挑戦して失敗すると、ミスを発見するのも、それを修正することも大変です。
急がば回れ、急いては事を仕損じる、です。こういう作業は、一歩一歩確実に進めていく方法が最速になります。
One comment
Pingback: 学校向け G Suite 導入の手引き(8)生徒・保護者のアカウント作成 | 福原将之の科学カフェ