学校向けG Suite 導入のノウハウです。前回までの作業で先生・生徒・保護者のG Suiteのアカウントを作成することができました。G Suite導入のロードマップでは、この後は「6. 教職員・生徒・保護者のグループ(メーリングリスト)作成」になっていますが、その前に「名前の文字化け対応」と「G Suiteの管理者権限」について今日は説明したいと思います。
名前の文字化け対応
G Suiteアカウント作成の方法としてCSVファイルを使った一括登録を紹介しましたが、この方法にはひとつ弱点があります。それは、名前の旧字体が「_(半角のアンダーバー)」に文字化けしてしまうことです。
例えば「髙山太郎」という生徒がいた場合、髙(はしごたか)は旧字体のため、G Suite上では「_山太郎」と登録されてしまうのです。これは嫌ですよね。
ですので、教員・生徒・保護者のアカウント登録が一通り終わった段階で、旧字体の名前を手作業で修正してあげる必要があります。
まずは名前が文字化けしているアカウントを検索してみましょう。管理画面上部にある検索ボックスに「_(半角のアンダーバー)」を入力してみましょう。
すると、名前が文字化けしているアカウント(ユーザー)の一覧を得ることができます。
あとはこれらのユーザーを選択し、「ユーザー名の変更」ボタンから文字化けを直していけばOKです。ただし、この作業は結構大変です。
上の画像では4名のアカウントしか文字化けしていませんが、実際の学校現場では数10名〜100名ぐらいのアカウントが文字化けしています。単純作業とはいえ、G Suiteの担当者が1人で対応するのはちょっと大変です。
そこで、こういった修正作業を他の先生にも協力してもらえるように、G Suite内の管理者権限の割り振り方について説明したいと思います。
G Suiteの管理者権限
まずはG Suite内の権限を付与したいアカウントを見てみましょう。ユーザーのストレージ情報、ユーザー情報、セキュリティ情報、グループ情報が表示されている下に「管理者権限とロール」という項目が見つかります。
「管理者ロールと権限」をさらにクリックすると、詳細画面が表示されます。
この「ロール(役割)」をアカウントに割り当てることで、そのユーザーがG Suite内である決められた権限(例えばユーザーの名前を変える等)を得ることができます。
G Suiteには最初からロールが6つ用意されていますが、学校現場で主に使うのは特権管理者、ユーザー管理者、グループ管理者の3つです。それぞれのロールの説明は次の通りです。
- 【特権管理者】一番強力な管理者権限で、なんでも出来ます。
- 【ユーザー管理者】管理者以外のユーザーに関する全ての操作が行えます。
- 【グループ管理者】G Suite内のGoogleグループに関する全ての操作が行えます
私がお勧めしている運用方法としては、特権管理者のユーザーが2〜3人。そしてユーザー管理者とグループ管理者の両方のロールを持ったユーザーを数人〜10数人、という布陣です。
特権管理者は権限が強力過ぎるため、特権管理者の人数を増やすと危険です。3人以内に抑えることをお勧めします。しかし特権管理者が1人だけだと、その先生がパスワードを忘れるなどのトラブルがあった場合に対応出来なくなるので、最低2人はいた方が安心です。
特権管理者の先生が決まったら、あとはG Suiteの設定を手伝ってくれる先生(例:ICT委員会のメンバーの先生たち)を「ユーザー管理者」と「グループ管理者」の両方のロールを付与してあげましょう。G Suiteの設定でマンパワーが必要になるのは、ユーザーに関することがグループに関することぐらいですので、この二つがあれば十分です。
「ユーザー管理者」のロールが付与されていれば、そのアカウントで「ユーザーの名前の修正」は可能になりますので、協力して文字化けを直していってください。
4 comments
Pingback: 学校向け G Suite 導入の手引き(10)必要な教職員・生徒・保護者のグループ (メーリングリスト)を作成 | 福原将之の科学カフェ
Pingback: 学校向け G Suite 導入の手引き(14)生徒・保護者にGmailのログイン情報を配布 | 福原将之の科学カフェ
Pingback: 学校向け G Suite 導入のよくある質問(3)必要なセキュリティ対策について教えてください | 福原将之の科学カフェ
Pingback: 生徒のGoogleアカウントのパスワードを再設定する方法(G Suite / Google Workspace) | 福原将之の科学カフェ