【本紹介】「富の未来」 〜個人の幸せと富について考えさせられる本

今日紹介するのはトフラー夫妻による「富の未来」です。「第三の波」で世界に衝撃を与えたアルビン・トフラーが2006年に出版した本です。上下巻で700ページを超える大作なので読むのに骨が折れますが、今後の社会における個人の幸せと富について深く考えさせられる名著です。16年も前の書籍ですが、今でも読む価値は十分あります。これからの時代を生きていく子供たちに接している先生にこそお勧めしたい本になります。


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書籍紹介

目次は以下の通りです。

  • 第1部 革命
  • 第2部 基礎的条件の深部
  • 第3部 時間の再編
  • 第4部 空間の拡張
  • 第5部 知識への信頼
  • 第6部 生産消費者
  • 第7部 頽廃
  • 第8部 資本主義の将来
  • 第9部 貧困
  • 第10部 地殻変動
  • 終わりに 始まりは終わった

700ページのボリュームで観点も多岐にわたっているため、非常に読み応えがあります。私なりに本の内容をまとめるとしたら、「これからの時代において、個人の幸せと富についての価値観を考え直すために必要な情報をインプットしてくれる書籍」となります。

昨今、世界中で貧富の差の拡大が問題になっています。しかし、一人一人が自分なりの富の基準を持つことができれば、無限に富を増やすことが出来るとトフラーは語ります。大量生産・大量消費の弊害が大きくなってきた工業科社会の時代から、通信技術が発達した情報化社会・脱工業化社会に時代は移ります。

そこでは「生産消費者」=「消費者でありながら生産者側にもかかわる人々」が経済活動において重要な役割を担います。消費者は単に消費をするだけの人生を送るのではなく、生産者側にかかわることに価値や喜びを感じるようになるというのです。このビジョンは、まさに個別最適化された新しい時代の社会を予言しているように思えます。トフラーの言うように、マスメディアなどが語っている「他人の幸せ像」を鵜呑みにするのではなく、市民のひとりひとりが「幸せ」を吟味して「自分なりの幸せ」を考えたならば、多くの人が無理なく富を獲得できるのでしょう。

上記の内容が抽象的で分かりにくいという方は、ぜひ「富の未来」を手に取って読んでみてください。名著です。