【本紹介】宇宙飛行士選抜試験〜ファイナリストの消えない記憶

宇宙飛行士選抜試験の書籍紹介、3冊目です。1冊目は「ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験」、NHKの番組スタッフの綿密な取材をベースにしたドキュメンタリーです。2冊目は「宇宙飛行士の採用基準〜例えばリーダーシップは「測れる」のか」、これは宇宙飛行士選抜試験に関わったJAXAの内部スタッフによる本です。宇宙飛行士の資質や採用基準について知ることができます。

3冊目のこの本は12月5日に発売したばかりの新刊で、「受験者目線の物語」が描かれています。言うなれば、宇宙飛行士選抜試験の受験者の手記ですね。宇宙飛行士選抜試験のファイナリストになって、そして夢破れてしまった情熱と挑戦の物語。感情移入をして読んだため、最後は胸が締め付けられました。おすすめです。


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書籍紹介

目次は以下の通りです。

  • 第0章 指先まで触れた夢
  • 第1章 突然の報、10年ぶりの募集
  • 第2章 ザ・宇宙飛行士選抜試験(前編)
  • 第3章 宇宙飛行士の資質とは?
  • 第4章 ザ・宇宙飛行士選抜試験(後編)
  • 第5章 残酷な分岐点
  • 第6章 2020年,宇宙への絆は消えない
  • 終章 紡いでいく夢

この本の一番の魅力は、ファイナリストの内山崇さんの目線で宇宙飛行士選抜試験を追体験することができる点です。

他の宇宙飛行士選抜試験関連の書籍では省略されがちな「閉鎖環境試験以外の試験」まで詳細に描かれているため、かなり臨場感があります。選抜試験に関する情報量が豊富ですので、来年の宇宙飛行士選抜試験を受験したい人には必読の書ですね。

著者の内山崇さんは、選抜試験対策を立てていき、着々と書類審査や第一次選抜試験、第二次選抜試験をクリアしていきます。私は最初、内山さんは「戦略的で冷静な人」という印象を持ちました。(第一次選抜試験突破ですら倍率20倍の難関ですから、本当にすごい!)

ですが本を読み進めていくにつれて、内山さんの「宇宙に対する熱い想い」と「不安や葛藤」が吐露されていきます。だんだんと内山さんに感情移入をしてしまい、「第5章 残酷な分岐点」を読んだときは胸が締め付けられました。

最後の第6章と終章では、選抜試験に落ちてしまった内山さんが周りに助けられながら立ち直っていく話が書かれており、読了感も大変よかったです。内山さんが来年の宇宙飛行士選抜試験に挑戦するならぜひ応援したいです。

宇宙飛行士選抜試験〜ファイナリストの消えない記憶、おすすめの一冊です。

追伸:この本の内容は、宇宙兄弟の公式ホームページでWeb連載されていたため、以下のリンクから読むこともできます。私はこの連載を読んで好きになり、本も買いました。