「AIエージェント」とは、目的を伝えれば、そこに至るまでのタスクを自分で考え、自律的に実行してくれるAIのことです。いわば「自分で考えて動いてくれるAIアシスタント」です。
2025年は「AIエージェント元年」と呼ばれました。しかし、蓋を開けてみると、テクノロジーの進化は期待ほどではなかったというのが正直な印象でした。
そんな2026年1月12日、Anthropic社が突如としてAIエージェント「Claude Cowork」をリリース。Anthropicといえば、プログラミング支援で定評のある生成AI「Claude」を開発している会社です。その会社が開発したAIエージェントとはどんなものか──実際に仕事で使ってみたのでレビューします。
結論から言えば、今すぐ実務でバリバリ使えるかというと、まだそこまでではありません。ただ、AIエージェントが働き方を変える日は必ず来る。そう確信できる体験でした。
AIエージェント「Claude Cowork」とは

Claude CoworkはMac専用のデスクトップアプリです。ユーザーに代わってパソコンを直接操作し、さまざまなタスクを自律的にこなしてくれます。
散らかったデスクトップやダウンロードフォルダの整理整頓はお手のもの。レシート画像から経費リストのExcelを作成したり、散在するメモを統合してレポートにまとめたりもできます。
実際に使ってみた
私が試したのは、海外の教育情報をリサーチしてデータをダウンロードするタスクです。
AIがブラウザを立ち上げて情報を検索し、判断に迷う場面ではユーザーに確認を求めながらタスクを進めてくれました。丁寧に許可を求める設計になっているため、「勝手にパソコンを操作される」という不安はほとんど感じませんでした。忙しくて手が回らない作業をAIに任せられる便利さを実感しました。
課題も見えてきた
一方で、気になる点もいくつかありました。
作業スピードが遅い
率直に言って、今回のタスクに関しては自分でやった方が早かったです。ブラウザ操作が必要だったのですが、ブラウザは人間向けに最適化されたUIのため、AIが画面を認識して操作するのにかなり苦戦している様子でした。ただし、これはタスクの内容にもよるでしょう。AIの認識精度が向上するか、AI向けのUIが開発されるか、いずれかで改善されていくはずです。
ファイルのアップロードができない
今回最も残念だったのがこの点です。ブラウザ(Chrome)のセキュリティ仕様により、AIエージェントがローカルファイルをドラッグ&ドロップでアップロードできません。溜まっていたZoomのアーカイブ動画をYouTubeにアップするタスクを依頼したのですが、どうやっても実行できませんでした。クラウドサービスを多用する私の業務スタイルでは、ファイルアップロードを任せられないのは痛いところです。
できること・できないことが事前にわからない
AIエージェントに任せられる仕事が増えれば非常に重宝するはずですが、現状では「何ができて何ができないか」がタスクを依頼する時点で判断できません。試してみるまでわからないというのは、なかなかのストレスでした。
総評:期待を込めて60点
個人的な評価は、期待を込めて60点といったところでしょうか。
ただし、ローカル環境でExcelやWordを使う作業が多い方にとっては、現時点でも十分に活用できるかもしれません。このあたりは業務内容によって評価が分かれそうです。
利用条件
Claude Coworkを使うには、Macユーザーであることに加え、ClaudeのMaxプラン(月額15,820円〜)への加入が必要です。現時点では、完全にイノベーター・アーリーアダプター向けという印象です。
私も今回Maxプランに加入したので、まずは1カ月間使い倒してみようと思います。
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