毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「わいせつ教員の情報検索が3年から40年に延長」「30人学級実現へ法改正求める方針へ」「経団連が高校生の1人1台の端末整備を提言」について取り上げています。
わいせつ教員の情報検索が3年から40年に延長
わいせつ教員の免許再取得の問題について進捗がありました。
これを踏まえて、萩生田文部科学大臣は、閣議のあとの記者会見で、文部科学省が教育委員会などに提供している、教員免許を失効した人の情報を検索できるシステムについて、対象期間を現在の直近の3年間から40年間に延長することを明らかにしました。
そのうえで「教員を採用する人は、対象者が過去40年間に懲戒免職処分などを受けたかどうかを確認できるようになり、より慎重な採用選考が可能になる」と述べました。
わいせつ教員の情報検索が40年に延長されたことで、採用側は教員免許の失効情報を知ることができます。これにより実質的に「わいせつ教員は再就職不可」という状況が達成されたかのように思えました。
しかしこの対応策だけでは、わいせつ教員の再犯への抑止力としては不十分でした。
記事によると理由は2つ。
- 懲戒の理由がわいせつ行為かどうか分からない
- 本人の自己申告まかせで、氏名を変えたら分からない
わいせつ教員の再犯率が高いのはエビデンスがありますので、文部科学書には追加の対策を期待したいと思います。
30人学級実現へ法改正求める方針へ
先週のWeekly教育ニュースでも紹介した「少人数学級導入」関連のニュースが、今週もまた話題になっています。
安倍首相の私的諮問機関である教育再生実行会議では、少人数学級導入の検討を進めていました。安倍首相が退任するため、少人数学級の議論はどうなるか注目されていましたが、今後も継続されるようです。
経団連が高校生の1人1台の端末整備を提言
経団連が18日、「EdTech推進に向けた新内閣への緊急提言」を行いました。
経団連が行った環境整備の提言は次の通りです。
- ハード面の整備
- 高校生の一人一台端末整備
- 通信費用の手当て
- 端末の整備にかかる諸費用の手当て
- 教育のICT化に向けた環境整備5か年計画予算の執行
- ソフト面の整備
- 教育アプリの費用手当てとEdTech導入補助金の拡充
- デジタル教科書の無償化と完全移行
- オンライン授業における著作権料の負担軽減
- 人材面の整備
- GIGAスクール構想を支援する人材確保のための予算の拡充
- EdTech企業による教員研修の支援
- 「教育の情報化に関する手引」の普及と充実
特筆すべきは、やはり「高校生の一人一台端末整備」の提言でしょう。現在、GIGAスクール構想によって小学校・中学校の一人一台端末整備が進められてきましたが、高校は国からの予算措置がないため、BYOD(個人保有のICT機器を持ち込む方式、つまり生徒の自費)が既定路線でした。実際、次のようなニュースが先日報道されていました。
しかし、今回の経団連の提言によって「高校生の一人一台端末整備」が国ベースで推進される可能性が出てきました。今後の動向に注目です。