毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「国立大志願者は原則「情報」受験、1月にも決定へ」「昨年度の修学旅行アンケート調査、中高の半数が中止」「小学生保護者を対象にした「コロナ禍が学習機会に与える影響調査」の結果」について取り上げています。
国立大志願者は原則「情報」受験、1月にも決定へ
こちらは重大ニュースです。ペンディングになっていた「国立大学志願者の情報受験」ですが、1月に正式決定する見通しが国立大学協会から発表されました。おそらく文系の受験生も情報受験は必須となる予想なので、高校の授業でしっかり対応することが求められます。特に大学受験に力をいれている高校は、情報科の教員を新しく採用するなり、情報カリキュラム作成のチームを作るなりして早めに対応することをお勧めします。
国立大学協会は12日、2025年以降の大学入学共通テストで出題される「情報」を国立大の志願者に原則として受験させる決定を持ち越した。大学入試センターの浪人生への対応が未定なためだが、永田恭介会長(筑波大学長)は「大学間の差をつくらないように実施すべきだ」として、来年1月にも国立大が原則、情報を課すことを決定する見通しを示した。
情報が追加されれば、国立大が受験生に原則、課してきた「5教科7科目」が、現在の中3生から「6教科8科目」に増える。来年1月の総会で決定し、22年度の早い時期に各国立大が対応を決める。
昨年度の修学旅行アンケート調査、中高の半数が中止
昨年度のコロナ禍による修学旅行の影響について、アンケート調査結果が公表されました。
コロナ下の昨年度、中学校の約5割、高校の約6割が修学旅行を中止――。公益財団法人「日本修学旅行協会」(東京都)が行った一部学校へのアンケートでそんな実態がわかった。実施した学校は感染者の多い都市部を避ける傾向が見られ、都道府県別の旅行先では、東京や大阪の人気下落が鮮明になった。
アンケートは全国の国公私立の中学、高校から約3千校ずつ抽出し、中学校は1046校、高校は1147校が回答した。
実施状況について答えた中学校のうち、「中止」は51・5%の530校、「変更」は47・2%の486校、「変更なく計画通り実施」は1・4%の14校だった。同じく回答した高校のうち、「中止」は61・4%の697校、「変更」は34・3%の390校、「変更なく計画通り実施」は2・1%の24校、「海外は中止」は2・2%の25校だった。
小学生保護者を対象にした「コロナ禍が学習機会に与える影響調査」の結果
こちらは重要ニュースというわけではありませんが、非常に興味深い結果が出ていたのでシェアします。
記事のタイトルにもなっている通り、
「コロナ禍は学習状況に影響があったか」という質問には、72.9%の保護者が「マイナスの影響があった」と回答
もポイントですが、個人的に興味深かったのはこちらの結果です。
「コロナ禍で増やした学習機会」は、「オンライン英会話」21.7%、「YouTube」17.9%、「通信教育」10.4%の順に多く、「学習機会は増やしてない」という回答も38.3%あった。オンライン学習の機会は、世帯年収が上がるほどコロナ禍で増やしている一方、YouTubeを利用した学習機会は世帯年収が低いほど増やしていることもわかった。世帯年収の高い家庭は、教育資金が豊富なためオンライン学習に積極的で、世帯年収が高くない世帯はYoutubeで代用している傾向がみられた。
中高の教育現場で話を聞くと、「YouTube=遊び」という印象を強く持たれている先生方が少なからずいます。しかし今回の調査結果でも示されている通り、YouTubeで学習に取り組んでいる生徒たち”も”少なからずいるわけです。こうしたご家庭の感覚は、コロナ禍の影響もあって大きく変化しつつあります。「そうなのか!」と思った方は、今回のような保護者アンケートの結果をチェックすることで、そうした感覚をキャッチアップしていくと良いでしょう。
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