毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「高校「情報」免許保有者を計画的に採用、文科省が通知」「中学受験者数、14年ぶりに5万人を超える予測」「補正予算案が閣議決定、文部科学省ではデジタル教科書が注目」「埼玉県で部活動の社会体育移行のモデル事業がスタート」について取り上げています。
高校「情報」免許保有者を計画的に採用、文科省が通知
高校の教員採用について、大切な通知です。
文部科学省は2021年11月29日、2022年度(令和4年度)からの高等学校情報科の着実な実施に向けて、事務連絡を発出した。高等学校教諭免許状「情報」保有者の計画的な採用、配置の工夫、現職教員の免許状取得の促進による専門性の向上を求めている。
高等学校の各学科に共通する教科「情報科」は、新高等学校学習指導要領に基づき、2022年度より指導内容をより充実させた共通必履修科目「情報I」が新設され、これまで以上に指導体制の充実が求められる。大学入試でも2025年度(令和7年度)大学入学共通テストから「情報I」を出題することが決まっている。
以前のweekly教育ニュースでもお伝えしたように、国立大志願者は大学入学共通テストで原則「情報」受験を必須かされる見込みです。大学受験に力をいれている高校は、情報科の教員を新しく採用するなり、情報カリキュラム作成のチームを作るなりして早めに対応することをお勧めします。
中学受験者数、14年ぶりに5万人を超える予測
中学受験に挑む小学生が増えている。首都圏中学模試センター(東京・千代田)の推計では、21年の首都圏の私立・国立中学の受験者数は5万50人。07年以来、14年ぶりに5万人を超えた。公立中高一貫校も含めると、受験者数は約6万2000人と首都圏の4.8人に1人が受験した計算。北一成取締役は「過去30年超で最も高い受験率」と話す。
引用記事にも書かれているように、受験率が高まる背景には少なからず保護者の不安があるでしょう。私立学校、公立学校問わず、学校側はコロナ禍における教育対応をしっかりと情報発信をしていく必要があります。
補正予算案が閣議決定、文部科学省ではデジタル教科書が注目
2021年11月26日、2021年度(令和3年度)補正予算案が閣議決定されました。
個人的に注目しているのが、GIGAスクール構想推進のための学習者用デジタル教科書活用事業です。
このうち、GIGAスクール構想推進のための学習者用デジタル教科書活用事業では、2024年度(令和6年度)の本格的な導入を目指すため、国公私立の小学校5・6年生、中学校全学年を対象にデジタル教科書(付属教材を含む)を提供。朗読音声を用いた外国語(英語)での活用について検証する他、算数・数学と理科のいずれか1教科、音楽、図画工作・美術、技術、家庭、体育・保健体育のうちのいずれか1教科でも実証する。
デジタルコンテンツとしてのデジタル教科書の配信基盤の整備では、通信回線速度が遅い学校でもデジタル教科書や連携するデジタル教材等が確実に届く配信基盤を実証。文部科学省としてデジタル教科書の要件定義を示し、各発行者等がそれに対応したデジタル教科書・配信方法を開発、実証する。
先週のweekly教育ニュースでお伝えしたように、来年度から英語のデジタル教科書が希望する小中学校で無償提供されます。デジタル教科書の導入はもう直近に迫っていますので、学校側はしっかりと準備しておくことをお勧めします。
埼玉県で部活動の社会体育移行のモデル事業がスタート
部活動の社会体育移行について、ついにモデル事業がスタートしました。こちらは埼玉県の事例です。教員の働き方改革のためにも、部活動の社会体育移行が進むことを期待しています。
教員の負担軽減などを目指し、学校の部活動の指導を外部の人材に委ねる「地域部活動」は本年度、国が全国各地に拠点校を置いて試行している。埼玉県内ではモデル事業として、白岡市が11月から市内の中学校4校で「地域部活動」を始めた。ボランティアらが委託団体に指導員として登録し、生徒の週末の部活動を指導している。国は2023年度から本格化したい意向だが、運営や運用は自治体や学校に任せられており、同市も試行錯誤しながら取り組んでいる。