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新しいことに取り組む人と、そうでない人の違い

Facebookで友人が「新しいことに取り組む人と、そうでない人の違い」について投稿していました。その友人は、新しいことに取り組まない人は「失敗しなかった=成功した」なんじゃないかと考えて、何とかそういう人たちを動かす方法がないか悩んでいました。この友人と同じような悩みを持っている先生方も多いと思います。そんな人たちにお勧めなのが、イノベーター理論です。イノベーター理論で考えれば、「新しいことに取り組まない人」を自分が頑張って動かさなくても良いことが分かるからです。詳しくみていきましょう。


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イノベーター理論

先日のブログ「読書をする人とイノベーター理論」で書いた内容を引用します。

イノベーター理論では、新商品を購入するタイミングの違いによって、消費者を次の5つに分類して考えます。

イノベーター(2.5%)」は、商品を最も早く購入するユーザーです。新し物好きで新商品には真っ先に飛びつく人たちです。

アーリーアダプター(13.5%)」は、イノベーターほど積極的ではないですが、流行には敏感なユーザーです。発信力があって市場への影響力が大きい層です。

アーリーマジョリティ(34%)」は、新商品の購入には慎重だが、アーリーアダプターの影響を受けて比較的早く購入にいたるユーザーです。

レイトマジョリティ(34%)」は、新商品に対してはかなり懐疑的で、自分の周囲の大半が使っているのをみてから購入するユーザーです。

そして「ラガード(16%)」は、ユーザーの中で最も保守的な人たちで、ほとんど最後まで購入にいたらないような層です。スマホの例で言うと、最後までガラケーを使っているような人たちです。

ラダードを変えるのではなく、アーリーアダプターを増やそう

イノベーター理論を使って考えると、「新しいことに取り組む人=イノベーター」で、「新しいことに取り組まない人=ラガード」になります。私の友人のようなイノベーターはラガードと相性が悪いので、頑張ってラガードを動かそうとすると軋轢が生じてしまいます。

それでは、どのようにしたらラガードの人たちを動かすことができるのでしょうか。イノベーター理論によると、ラガードの人たちに影響力があるのは68%のマジョリティです。マジョリティの人たちが「新しいことをやろうよ」と声を掛けてもラガードが動かない場合もありますが、少なくとも表立って「新しいこと」の反対はしなくなります。なぜなら、ラガードの人たちはイノベーターを敵に回せても、マジョリティの人たちを敵にはしたくないからです。

イノベーターのあなたに出来ることは、「自分と同じイノベーター」や「アーリーアダプター」に「新しいこと」を伝えることです。そしてマジョリティやラガードを動かすのは、あなたに影響を受けたアーリーアダプターの役目です。イノベーターが直接マジョリティやラガードを動かそうとすると軋轢を生じますが、間にアーリーアダプターが入るとスムーズにいくのです。これが、「新しいこと」を広めていくコツです。

誰もがイノベーターでもあり、ラガードでもある

最後にもうひとつ、イノベーター理論に関する大事な観点があります。それは、フィールド(分野)が変われば、イノベーターの人もレイトマジョリティになったりラガードになったりする、ということです。

例えば、私は教育分野についてはイノベーターですし、IT分野についてはアーリーアダプターです。しかし、音楽やファッションの分野については、ラガードに近いレイトマジョリティだと思います。誰もがイノベーターでもあり、ラガードでもありうるわけです。

自分の得意とするフィールドにおいて、ついつい私たちは「あの人は新しいことに取り組もうとしない困った人だな」と思ってしまいます。しかし、あるフィールドではラガードに見える人も、その人の得意分野ではイノベーターだったりアーリーアダプターだったりするでしょう。フィールドが変われば、人の役割も変わります。ある一面だけで人を判断するのではなく、人の多面性をちゃんと意識することが、個別最適化していく社会において重要になるでしょう。