隣の本棚の勧め

新年度が近いので、昨日に続いて学生・新社会人向けの記事になります。勉強のための書籍を買うとき、今はAmazonを利用することがほとんどですが、昔は頻繁に大型書店に足を運んでいました。大型書店がAmazonより優れている点は、なんといっても実際に本を立ち読みして判断できることですよね。でも個人的にはもうひとつ、大きなメリットがあると思っています。それは、隣の本棚です。


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私が書店で本を買うとき、目的の書籍が見つかったあと、その両隣の本棚をチェックすることを習慣にしています。実はこの習慣、私がまだ大学生の頃に、尊敬していた社会人のメンターの方にお勧めされた方法なんです。

なぜ隣の本棚をチェックするのか。それは、自分の専門からちょっとだけ離れた分野のことを知るためです。本棚を眺めていると、毎回ではありませんが、専門外でも興味のある本が一冊や二冊は見つかるものです。そんな本がきっかけになって、自分の”幅”が広がる可能性があるのです。

私が大学生の頃は宇宙・物理・数学が専門でしたが、この習慣のおかげでゲーム理論や複雑系科学、文化人類学、心理学などに興味を持ち、いろいろと勉強することができました。これらの専門外の勉強はすぐに役立ったわけではありませんが、長い人生の中で学んでおいて良かったと思うことが沢山ありました。即効性はありませんが、長期戦略としてお勧めです。

これからの時代は、個別最適化の時代です。異質なもの同士を組み合わせることで、新しい価値を生み出すことが重要になります。もしあなたが武器となる専門をひとつしか持っていなければ、同業者との熾烈な競争は避けられないでしょう。しかし、武器となる専門を二つ持つことができれば、独自の価値を生み出すことができるのです。自分と同じ二つの専門を持っている人は少ないはずなので、競争も避けることもできるのです。結果として、勉強の投資以上に自分の価値を高めることができるでしょう。

これからの時代の人生戦略として、武器となる専門を二つ以上持つことはとても有用なのです。