毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。Weekly 教育ニュースでは、先週1週間の間にあった教育ニュースの中で、「これはぜひ知っておいてほしい」というニュースをピックアップしています。科学カフェのFacebookページでは毎日様々な教育ニュースをシェアしていますが、その中でも特に重要な情報を紹介するコーナーになります。教育ニュースの情報収集にご活用ください。
アメリカの留学生締め出し宣言
先週、先週のWeekly教育ニュースで取り上げた「アメリカの留学生のビザ規制」の話題です。時系列に整理しましょう。
- 【7月6日】トランプ政権は、2020年9月の新学期からオンライン授業のみを取る留学生のビザを認めない方針を打ち出す
- 【7月8日】MITやハーバード大がトランプ政権を提訴し、今回の措置の一時的な差し止め命令を裁判所に要求
- 【7月13日】米国の17州と首都ワシントンのあるコロンビア特別区もトランプ政権を提訴
- 【7月14日】トランプ政権が措置を撤回
- 【7月24日】アメリカの移民税関捜査局は、2020年9月の新学期からオンライン授業のみの高校・大学などに新たに留学する学生に対してビザを発給しない可能性があると発表
7月6日時点では「現在留学中の学生」も含めてビザ規制をする内容でしたが、今回の7月24日規制では「新しくアメリカに留学する学生」のみが対象となっています。
前回のスピード撤回で解決したかと思ったのですが、留学生のビザ規制問題は当面ゴタゴタしそうな印象です。いずれにせよアメリカへの留学を考えている受験生や高校の先生は、ニュースの続報に気をつけておきましょう。
中国は留学生をはじめとする優秀な人材を国内に呼び込もうと必死に動いている中で、トランプ大統領の留学生排除の動きはアメリカの国際競争力を低下させるのではと危惧しています。日本政府と文部科学省も、このタイミングで留学生を呼び込むための施策を打ち出せれば素晴らしいのですが、残念ながらそのような動きはなさそうですね。
JAPAN e-Portfolioの運営許可取り消し
先々週のWeekly教育ニュースで取り上げていた話題の続報です。
(実質的に)ベネッセが開発・運営していたシステム「JAPAN e-Portfolio」に対して、文部科学省が運営許可を取り消す方向で調整していましたが、それが今月中に確定したようです。
これにより来年の大学受験から「JAPAN e-Portfolio」のシステムは使うことが出来なくなります。受験生が総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜(旧推薦入試)を行う場合は「従来の紙の書類」を提出することになります。つまりデジタルから紙に戻るわけで、時代に逆行することになります。教育業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)は難航しています。