学校向け G Suite 導入の手引き(3)ドメイン所有権の証明

学校向けG Suite 導入のノウハウです。前回は「G Suiteで使用するドメインの選び方」と「G Suiteの申し込み方法」について紹介しました。今日はG Suite申し込み後に必要な作業、「1.3 ドメイン所有権の証明」について説明したいと思います。「ドメイン所有権の証明」はウェブの知識がないと対処法がわからず、G Suite導入の最初の難関と言えます。知識が無くて自力で行うのが難しい先生向けに、「誰にどのように相談すれば良いか」もお伝えしたいと思います。


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ドメイン所有権を証明する方法

G Suiteに申し込みをした後、管理者アカウントで管理コンソールにログインをすると、次のような画面が表示されます。

画像はG Suiteのヘルプより引用。ページ上部の赤丸の箇所をクリックすることで、設定プロセスを続行できます。

設定プロセスでは、申し込みの時に入力したドメインの所有権を証明することになります。「ドメインの所有権の証明」というと難しく聞こえますが、ようは「そのドメイン(学校ホームページのURL)を管理している学校関係者であること」を証明してください、ということです。

ドメイン所有権を証明する方法は、次の2通りあります。

  1. ドメインの所有権を TXT レコードで証明する
  2. ドメインの所有権をウェブサイト経由で証明する

どちらの証明方法でも大丈夫なのですが、可能であれば1番の方法を私はお勧めしています。(理由はこの記事の一番最後に後述します。)

1. ドメインの所有権を TXT レコードで証明する

この方法は、ウェブの知識(具体的にはDNSレコードの編集方法)がないと対応できません。ですので、「DNSレコード」という言葉が意味不明でしたら、無理をせずに分かりそうな人に相談することをお勧めします。(後述の「1. の証明方法の相談相手」を参照)

ある程度ウェブの知識がある人向けに、証明方法の手順を説明します。

  1. 所有権を証明するための特別なコード(TXT レコード)をG Suite管理ページから取得する
  2. 学校ドメイン(例:testschool.ed.jp)を管理しているウェブサービスにログインする
  3. 学校ドメインのDNSレコードを編集できるページに移動する
  4. DNSレコードに、1で取得したTXTレコードを新しく追加する

順番に見ていきましょう。1の特別なコードは次のように取得します。

プルダウンから「その他」を選択
「google-site-」で始まっている文字列がTXTコードですので、コピーしておきましょう

2の「学校ドメインを管理しているウェブサービスにログインする」は、知ってそうな人に聞いてみましょう。学校ホームページの制作や運営に携わっていた人や、学校のメールアドレスを発行した際の責任者あたりが知っている可能性が高いです。外部の業者にお願いしている人は、担当者に「学校ドメインのDNSレコードを編集したいんですけど、分かりますか?」と相談すれば、やりたいことが伝わると思います。

3 と4のステップは、学校ドメインを管理しているウェブサービスによって異なります。例えば私の会社で使っているウェブサービスでは、次のような画面でDNSレコードを追加することができます。参考にしてみてください。

1. の証明方法の相談相手

「ドメインの所有権を TXT レコードで証明する方法」を説明しましたが、多くの先生はよく分からなかったと思います。それが普通ですし、それで良いと思います。G Suite導入は大変な仕事ですので、1人で全部やろうとしないでください。周りにいる人を頼ることです。

では、どのような人に相談すれば良いのでしょうか。まずは同僚の先生の中で、ICTに詳しい人です。次に、学校のホームページやメールアドレスを管理している先生です。その先生がDNSレコードを編集する方法を知らなくても、「誰に聞けば分かるか」を知っている可能性は高いです。

もし学校ホームページやメールサーバーの管理を学校外部に頼んでいたら、その会社の担当者に「学校ドメインのDNSレコードを編集したいんですけど、分かりますか?」と相談してみてください。これで解決できると思います。

余談ですが、このDNSレコード編集は、専門知識を持っている人間にとっては5分ほどで終わる簡単な作業です。良心的な企業であれば手数料は取らないと思いますが、私のサポート校では高額な手数料を請求された事例があります。ご注意ください。

2. ドメインの所有権をウェブサイト経由で証明する

こちらの方法は1に比べると簡単です。G Suiteの管理画面からファイルをダウンロードして、それを学校ホームページがあるサーバーにアップロードすれば良いのです。(他にもHTMLタグやアナリティクスを使う方法がありますが、HTMLファイルをアップロードする方法が一番簡単です。)

上の画像で赤四角で囲んだリンクから「HTML確認ファイル」をダウンロードしてください。学校ホームページを管理している先生か外部の会社の担当者がいるはずですので、その人に「HTML確認ファイル」を渡してサーバーにアップしてもらえばOKです。作業のお願いの仕方としては、上記の画像を見せて「このようにお願いします」とすれば正しく伝わるのでお勧めです。

お勧めの方法

HTMLファイルをアップロードする方法はお手軽ですが、注意点があります。それは、サーバーにアップロードしたHTMLファイルを削除してしまうと、ドメイン所有権の証明が解除されてしまう点です。HTMLファイルをアップして所有権を証明が終わったら、そのまま放置すれば良いのですが、誤ってファイルを削除しないようにしましょう。

心配なのは、学校ホームページリニューアルやサーバー移転の際です。新しいサーバーにHTMLファイルをアップロードし忘れると、トラブルが発生します。G Suiteを導入して時間が経つと、普通はHTMLファイルの存在なんて忘れてしまいますよね。よくある落とし穴です。

加えて、DNSレコード編集の作業は、この後のG Suite導入「4.1 DNSレコードを編集する」でも登場します。まさに避けては通れない難関なのです。

そういった理由から、将来的にトラブルの可能性が少ない「ドメインの所有権を TXT レコードで証明する方法」をここでもお勧めしています。