毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「休日の部活動が社会体育へ、2023年から」「わいせつ教員の免許再取得の問題」「東京私立中高協会、オンライン入試自粛を申し合わせ」について取り上げています。
休日の部活動が社会体育へ、2023年から
教員の働き方改革に関する重要ニュースです。注目しています。
長時間労働が問題となっている教員の負担を減らすため、文部科学省は、休日の部活動は地域の活動とすることで、教員が携わらなくてもよくなる仕組みを整備し、3年後から段階的に実施していくとする改革案をまとめました。
(中略)
具体的には、休日の部活動は「地域部活動」として地域の活動とし、地域のスポーツクラブなどの団体が管理・運営する仕組みを整備して、3年後の令和5年度から段階的に全国で実施していくとしています。
(中略)
この改革案は主に公立の中学校が対象で、文部科学省は高校でも同様の取り組みを実施したい考えです。
「休日の部活動は地域の活動 教員負担軽減の仕組み整備へ 文科省」より引用
◇文部科学省が示した部活動改革案の骨子
・休日の部活動の運営を地域のスポーツクラブや芸術文化団体に委ね、教員を休日の指導から解放する
・休日の指導を希望する教員は、兼業許可を得た上で地域活動の一環として従事する
・教員の働き方改革や生徒の負担軽減の観点から、部活動の地方大会やコンクールのあり方を整理する
・2021年度から各都道府県に拠点校を設けて実践研究を進め、23年度から全国展開を目指す
「休日の部活動の地域移管 教員、教委ら戸惑い「中途半端」」より引用
学校現場はもちろん賛成意見ばかりではありません。部活動を生きがいにしている教員の方はたくさんいますし、当然スポーツ強豪校も抵抗するでしょう。
しかしながら、教員の働き方改革と少子化問題を考えれば、社会体育への移行は避けられないと思います。最初の落とし所は「平日は学校の部活」「土日は社会体育」でしょうから、2023年にこの段階へ移行できるか注目です。(無事に移行ができたら、その次の段階に進むと予測しています。)
わいせつ教員の免許再取得の問題
8月31日、共同通信が第一報として「文部科学省が、わいせつ行為で教員免許を失っても3年が経過すれば再取得可能としている教育職員免許法を改正し、制限期間を5年に延長する規制強化案を検討していることが31日、関係者への取材で分かった。」と報道しました。
このニュースを最初に読んだ時は、免許再取得までの期間を5年に延長する程度の対策で十分だと文部科学省は考えているのかと、大変驚きました。
今回の背景には「教育現場での性暴力被害の実態調査」があります。それを受けて萩生田文部科学大臣が7月22日の国会で「自分の責任で、できるだけ速やかに法案を提出することを念頭に進めていきたい」と教員免許法を改正する方針を示してくれたのです。
その改正案が「3年から5年」なのかと、共同通信のニュースを読んだ時は失望しましたが、それは早とちりだったようです。
共同通信によるこの第一報に、萩生田光一文部科学大臣は「驚いた」としつつ、「厳格化を速やかに進めていきたいというのが私の思いなので、3年が5年でいい制度に変えることができるんだったら一つの案だと思う。ただ、こうした被害から子どもたちを守るには、より抜本的な仕組みの見直しが必要と考えている」とコメントしている。
「高い再犯率の中、わいせつ教員は5年経てば失効した免許が再取得できる? 専門家「子どもから遠ざけることが重要」」より引用
大臣は「3年から5年で十分」だとは全く考えていないことが分かり、安心しました。抜本的な仕組みの改善を期待しています。
東京私立中高協会、オンライン入試自粛を申し合わせ
9月3日、森上教育研究所代表の森上氏が「東京私立中高協会、オンライン入試自粛を申し合わせ」と速報を流しました。
『東京私立中高協会、オンライン入試自粛を申し合わせ』東京私立中学高等学校協会は本日理事会を開き、来年度の中学高等学校の入試について、コロナ感染防止のためオンライン入試を行うことは自粛すると申し合わせた。従って協会傘下の東京私立中高はオンライン入試を行わない。万一感染が拡大する情勢になれば解禁日を先送りし、全体的に日程をずらすとした。尚、学校の収容人数が少なく試験会場が密になる場合、校外施設で実施することは可とした。
森上氏のFacebookより引用
都内の私立中学校の中には既にオンライン入試を公表しているところもあり、今後の動向に注目しています。私は、コロナの第二波、第三波によっては、この方針が変更される可能性も十分あると思っています。
今回の「オンライン入試自粛を申し合わせ」についての考察を、私立学校研究科の本間先生がブログに書かれています。是非こちらもご覧ください。