毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「公立高校、情報Ⅰの指導でIT人材バンク活用へ」「理工系学部に女子枠、文科省が創設促す」「文部科学省、大幅定員割れで大学の学部新設を認めない方針へ」について取り上げています。
公立高校、情報Ⅰの指導でIT人材バンク活用へ
今年4月からスタートした新学習指導要領で共通必修科目となった「情報Ⅰ」ですが、多くの学校で専門教員不足が課題となっています。一部の私立高校では既に教材や授業のアウトソーシングが検討されていますが、公立高校でも人材バンクから専門家を派遣する方針となりました。
プログラミングなどを教える高校の「情報」で深刻な専門教員不足が続く中、文部科学省が、運用開始へ向けた準備が進むIT(情報技術)業界の人材バンクから専門家を派遣してもらい、一部の授業を受け持ってもらう方針を固めたことが16日、分かった。専門教員の効果的な配置が進まない上、情報で扱う内容の一部は進歩が著しく専門性が高いため、指導の充実には専門家のサポートが不可欠と判断した。
理工系学部に女子枠、文科省が創設促す
今年5月に出された教育未来創造会議の第一次提言では、「理工系を専攻する大学学部段階の男女差」が課題として挙げられていました。今回の施策はこちらに関するものでしょう。
文部科学省は2023年度入学の大学入試から、理工系分野に「女子枠」を創設するよう各大学などに促している。理工系専攻の女子学生が少ない現状を変えたい考えだ。
大学入学共通テストの会場に向かう女子受験生ら(1月15日、名古屋大学で)
文科省によると、21年度は大学で女性が理工系を専攻する割合は7%で、男性の28%よりも低い水準にとどまっている。6月に文科省が通知した大学入試実施要項では、「多様な背景を持った者を対象とする選抜」を工夫することが望ましいとし、その例として「理工系分野における女子」を明記した。一般入試ではなく総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜での活用を想定しているという。名古屋大工学部は同省の通知に先立ち、23年度入学の学校推薦型選抜で募集定員の半数を女子に限定した。
教育未来創造会議の第一次提言については、過去のweekly教育ニュースをご覧ください。
文部科学省、大幅定員割れで大学の学部新設を認めない方針へ
大学の学部新設に関する規制強化のニュースです。
文部科学省は15日、在籍する学生が定員の5割以下となった学部を持つ大学について、他の新たな学部設置を認めない方針を決めた。近く大学の設置基準に関する文科省告示を改正し、2025年春に予定する組織改編から適用する。
少子化によりさらに大幅な定員割れが予想されることから、主に私立大で経営が立ちゆかなくなって学生に悪影響が出ることを防ぐために規制を強化する。
文科省によると、定員の半数以下の学部が一つでもあれば、学部の新設や定員増を認めないこととする。