毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「教育未来創造会議『第一次提言』に伴う国の方針メッセージ」「体育の授業や登下校時のマスクの着用は不要」「起業家精神教育、小中高で強化へ」について取り上げています。
教育未来創造会議「第一次提言」に伴う国の方針メッセージ
学校教育の関係者は必見の重要ニュースです。教育未来創造会議「第一次提言」を受けて、文部科学大臣から教育関係者・保護者・生徒に向けてメッセージが発信されました。国の問題意識と今後の方針が分かる重要な内容ですので、教員の方は全文をぜひご一読ください。
このような課題に対応するため、教育未来創造会議「第一次提言」では、実に多岐にわたる改革事項があげられています。私といたしましては、それらの中でも特に、
・ 現状では大きく不足している、理系の学修を行うための大学の受け皿を抜本的に拡充すること
・ とりわけ女性の皆さんが理系の分野で大きく活躍していただける社会を構築すること
について、大学の関係者の皆様のみならず、今後大学での学びを志す子供たちや、子供たちを支えていただく保護者の皆様、子供たちの進路の選択で多大な御助力をいただく学校の教職員の皆様、そして大学で真剣に学び資質・能力を伸ばした方々が活躍する場となる企業の皆様に、広く御理解を賜りたいと思っております。
教育未来創造会議の「第一次提言」と会議の関連資料はこちらになります。こちらにも目を通しておくと国の問題意識がよく理解できてお勧めです。
科学カフェのブログの読者には小中高の教職員が多いですが、先生方が特に意識しておいた方が良い点は次の3つになります。
- 大学入試が文理横断的な入学者選抜に転換される
- 高等学校においても早期から文系・理系に分ける「文理分断」教育から脱却を期待されている
- 学校における男女の違いに基づく先入観(特に文理関係)を徹底的に排除することを期待されている
体育の授業や登下校時のマスクの着用は不要
夏が近づいてきましたので、熱中症対策として適切なマスク指導が大事になります。
学校での体育の授業や登下校時のマスクの着用について、末松文科大臣は「必要ない」と改めて強調し、厚労省と文科省で作成した「マスク着用についてのリーフレット」を参考に、「現場で常識的に判断いただきたい」と述べました。
末松大臣は、これから夏を迎えるにあたり体育の授業では、屋外の運動場に限らず、プールや屋内の体育館も含めてマスクの着用は必要ないことや、熱中症リスクが高い夏場では、登下校時に会話を控えるように注意した上で、マスクを外すように指導することを改めて求めました。そのうえで、厚生労働省とともに作成したリーフレットを参考に、「子供たちが安全・安心な環境の中で学ぶことができるように、地域の実情に応じつつ、メリハリをつけたマスクの取り扱いを改めてお願いをしたい」と強調しました。
厚労省と文科省で作成した「マスク着用についてのリーフレット」はこちらになります。
マスクの着用に関するリーフレットについて(令和4年5月25日)
起業家精神教育、小中高で強化へ
こちらはSNSで話題になっているニュースですね。
政府が年内にも策定するスタートアップ(新興企業)を育成するための「5か年計画」に、小中学校や高校への働きかけを強化する方針を明記することがわかった。先行する大学でのアントレプレナーシップ(起業家精神)教育の裾野を広げ、人材育成を後押しする。
文部科学省具体的には、起業した学生などによる小中高生向けのセミナーや出前講座の実施を支援することなどを想定している。理数分野で高い能力を持つ小中高生には、大学で行われる起業家精神教育を含む高度なプログラムへの参加を視野に入れる。早い段階で起業家精神に触れる機会を設け、起業を将来の選択肢に加えてもらう狙いがある。
「5か年計画」の具体的な内容はまだ分からないため何とも言えませんが、「全ての生徒に一律に求める教育政策」ではなさそうですね。「個別最適化された教育」のひとつとして捉えると良いかもしれません。
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