毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「総裁選4候補の教育に関する発言まとめ」「都立高校入試が男女合同定員移行へ」「文部科学省による教育の情報化の実態調査速報」「入試で教科「情報」を利用する大学の調査結果」「早生まれによる高2就学支援金の不公平是正へ」について取り上げています。
総裁選4候補の教育に関する発言まとめ
自民党の総裁選4候補の教育に関する発言が日本経済新聞でまとめられています。今後の日本の教育方針に大きな影響がありますので、教育関係者はチェックしておくことをお勧めします。
教育格差への対応を尋ねられた岸田文雄氏は「経済的な格差が教育格差を生み職業の選択の幅を狭めてしまう。教育を受ける機会を平等に与える制度を用意する」と訴えた。
高市早苗氏は中学生までの児童手当を「18歳までに広げたい」と制度の拡充に初めて言及した。小中学生だけでなく、高校生にも1人1台の端末を行き渡らせる計画にも触れた。
教育格差を放置すれば、世代をまたいで格差が固定してしまう。有権者の関心も高く、各候補の知恵の絞りどころだ。河野太郎氏は研究開発力を高めるため「大学院生の生活をしっかり支える」と発言。諸外国の制度を参考に大学院生の学費や生活費の支援する枠組みの必要性を訴えた。
野田聖子氏は多様な奨学金の情報を一元化し「(子どもの置かれた)待遇、処遇に応じた奨学金とマッチングできる仕組み」を提案した。
都立高校入試が男女合同定員移行へ
東京都教育委員会は24日、都立高校入試の男女別定員制度を廃止し、段階的に男女合同定員にしていくと決めた。現行制度では同じ学校なのに男女で合格ラインが異なり、都教委の分析では、いまの1年生を選抜した2021年度入試では女子約700人、男子約100人が、合同定員であれば合格だったのに不合格となっていた。
残念ながら移行時期についてはまだ未定とのこと。
東京都教育委員会では、現在の男女別定員から男女合同定員へ移行する方針を決めているが、「中学校の進路指導に与える影響が大きい」等を理由に段階的・計画的に進めるとし、第一段階として2022年度入学者選抜では対象校の全校(109校)で10%の緩和措置を実施すると発表した。今後、第二段階として男女別定員のうち男女合同で決定する割合20%を全校に拡大したうえで、第三弾として男女合同定員に移行。実施時期は2022年度入学者選抜の結果の分析等を踏まえ、検討していくとしている。
文部科学省による教育の情報化の実態調査速報
文部科学省による「令和2年度 学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」の速報値がリリースされました。
GIGAスクール構想により生徒1人1台ICT端末が整備されたこともあり、数値が軒並み上昇しています。都道府県別のデータも掲載されていますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
令和2年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)【速報値】
入試で教科「情報」を利用する大学の調査結果
大学入学共通テストに「情報」が初めて出題される2025年度入試で、受験生に「情報」を課す大学が何校あるか朝日新聞と大手予備校の河合塾が調べたところ、全国で87大学が、共通テストか個別試験、または両方で課す意向を示した。ただ、大半の大学は判断材料が不足しているなどとして、「検討中」「わからない」と回答した。
大学入試で情報が利用されるか否かで、高校の教育現場での状況は大きく変わります。朝日新聞による調査結果ですが、87大学が利用を表明している一方、東京大学や京都大学などの国立トップ校の方針はわからず、まだどちらにも転ぶと言えるでしょう。今後の動向に注目です。
早生まれによる高2就学支援金の不公平是正へ
文部科学省は、高校授業料を国が支援する就学支援金について、いわゆる「早生まれ」の生徒が所得制限の判定時に不利になり、受給できない場合などがあるとして、来年度から是正する方針を固めた。不公平が解消される生徒は年8000人程度と見込んでいる。
支給の不公平は原則、高校2年生時に起きる。同省によると、所得制限は年収から様々な控除額を引いた住民税課税所得を基に判断するが、モデル世帯の例では前年の年収が約910万円未満なら支給対象だ。