ハイブリッド授業のノウハウ(1)見えづらい、聞こえづらいの解決策

緊急事態宣言の延長に伴い、オンライン授業に対応する学校が増えています。特にリアルの対面授業とオンライン授業を同時に行う「ハイブリッド授業」が多くの学校で採用されています。ハイブリッド授業では対面授業の様子をオンライン配信するだけなので簡単そうに見えますが、実はそうではありません。ちゃんとしたセットアップをしないとオンライン授業の質が下がってしまうのです。そこで今回は、ハイブリッド授業の実施する際のノウハウを紹介します。ハイブリッド授業に取り組んでいる先生方はぜひ参考にしてみてください。


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ハイブリッド授業の課題を解決するノウハウ

まずはハイブリッド授業を実施する際に注意しておくべき課題です。大きく次の3つがあります。

  1. オンライン側から板書が見えづらい
  2. オンライン側から先生の声が聞こえづらい
  3. 配信のセットアップが大変

それぞれの課題を解決するためのノウハウを紹介します。

(1)オンライン側から板書が見えづらい

ハイブリッド授業で一番多い生徒からのクレームが「黒板が見えづらい」です。

多くのハイブリッド授業では、タブレットなりビデオカメラなりで教室後方から授業の様子を撮影しています。ビデオカメラ自体は高画質であっても、ZoomやMeetを通して配信する際に解像度は低くなるため、結果としてオンライン側から黒板の字が読めなくなるのです。

この解決方法は3つあります。

  • 「板書の写真を撮影して生徒に送ってあげること」
  • 「配信カメラを教卓に置くこと」
  • 「パワーポイントなどのデジタル教材を活用すること」

おすすめの解決方法は、一番目の「板書の写真を撮影して生徒に送ってあげること」です。リアルタイムで高画質な映像を送ることは難しいので、代わりに「板書の写真」を送れば良いというわけです。

教科などで複数クラスを教えている先生は、最初の授業で「板書の写真」を撮影しておき、次のクラスでは授業前に「板書の写真」を共有しておくとなお良いでしょう。

二つ目の解決方法は、「配信カメラを教卓に置くこと」です。配信用のカメラを黒板の近くに設置すれば、黒板の映像は見やすくなります。ただし、カメラに映る黒板の範囲は限られてくるため、黒板をフルに活用した授業はできなくなる点に注意です。

三つ目の解決方法は、そもそも黒板を使わずにパワーポイントなどのデジタル教材を使って授業をする方法です。パワーポイントなどの資料を事前に生徒に送っておくと良いでしょう。

(2)オンライン側から先生の声が聞こえづらい

ハイブリッド授業で二番目に多い生徒からのクレームは「先生の声が聞こえづらい」です。

普通のオンライン授業では、先生はパソコンやタブレットの前に座って話をします。一方でハイブリッド授業では、先生は配信しているパソコンやタブレットから離れて、教壇で授業を行います。マイクから物理的に離れるため、オンライン側で声が聞こえづらくなるのは当然ですね。

この解決方法は2つあります。

  • 「配信パソコンを教卓に置くこと」
  • 「ワイヤレスのBluetoothマイクを使うこと」

現実的な解決方法は、ひとつめの「配信パソコンを教卓に置くこと」です。要するにマイクを物理的に近くに置くという方法ですね。「オンライン側から板書が見えづらい」も一緒に解決できるため、ワイヤレスマイクを買えない場合はこちらがお勧めです。

理想の解決方法は、「ワイヤレスのBluetoothマイクを使うこと」です。マイク機能があればOKなので、AirPodsなどのイヤホンやヘッドセットでも大丈夫です。例えばこういうものですね。

マイク(ヘッドセット)はピンキリなので、音声認識や字幕おこしをする場合はもっと高性能のマイクがお勧めですが、生徒の「聞こえづらい」に対応するのは安物で大丈夫です。ヘッドセットやワイヤレスマイクを身につけた状態で授業を行えば、オンライン側の生徒にも声は十分に聞こえるようになります。