サポート校の先生方と一緒に高校「情報I」のカリキュラム作成に取り掛かっています。具体的なカリキュラムを考える前に押さえておきたいのが「授業の目標」です。情報Iの授業を通して、生徒たちにどのような力を身につけて欲しいのか。それを情報科として最初に決めておく必要があるでしょう。
学習指導要領における情報Iの目標
当然ですが、授業の目標を学校や先生が好き勝手に決めることはできません。守るべきガイドラインとして学習指導要領が学校教育にはります。
学習指導要領によると、情報Iの目標は以下のように書かれています。まずはこちらをチェックしておきましょう。
情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,情報技術を活用して問題の発見・解決を行う学習活動を通して,問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用し,情報社会に主体的に参画するための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1)効果的なコミュニケーションの実現,コンピュータやデータの活用について理 解を深め技能を習得するとともに,情報社会と人との関わりについて理解を深め るようにする。
(2)様々な事象を情報とその結び付きとして捉え,問題の発見・解決に向けて情報 と情報技術を適切かつ効果的に活用する力を養う。
(3)情報と情報技術を適切に活用するとともに,情報社会に主体的に参画する態度を養う。
【情報編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説より引用
学習指導要領上の目標を押さえた上で、その学校における情報Iの目標を考えていくのが良いでしょう。
学習指導要領では年間授業時間や教えるべき内容などが指示されています。当然、先生はそれらは厳守して授業をしなければなりません。
しかしながら、教える先生の裁量も十分にあるのです。例えば、どの単元にどれだけ時間を使うかは先生の自由ですし、学習指導要領で禁止されていないことでしたら、授業で扱うことも出来るのです。
先生の裁量については、こちらの記事をご覧ください。
学習指導要領上の目標を押さえ、先生の裁量権をきちんと理解した上で、改めて「学校における情報Iの目標」を考えることが重要です。
進学校では「大学入学共通テストで全員が8割取れるようになる」という目標かもしれませんし、個別最適化を進めている学校では「希望者がアプリを開発できるようになる」という目標が良いかもしれません。より高次な目標である学校のカリキュラムポリシー、ディプロマポリシーから落とし込んで考えてみると良いでしょう。
「情報Iの目標」を丁寧に決めておかないと、後でカリキュラムや教材を考える段階で必ず躓いてしまいます。情報科の先生や教務の先生方としっかり話し合うことをお勧めします。