今日紹介する本は、ビジネス書で名著と名高い「ビジョナリーカンパニー」です。ビジョナリーカンパニーとは、未来志向で先見性があり、数世代にわたって繁栄した企業のことを言います。時代を超えて際立った存在であり続けた企業、ビジョナリーカンパニーの本質について、様々なデータを参考に考察した書籍です。
「経営学の本なんて興味ないし、自分には関係ない」と思うかもしれません。でも、そんなことはありません。少なくともこの本は、「企業=人が集まった組織」を活性化してパフォーマンスを高めるための知恵がたくさん書いてあります。「自分の所属している学校などの組織を良くしたい」「コミュニティを活性化させたい」、そう思っている人に大変おすすめの名著です。
書籍紹介
目次は以下の通りです。
- 第1章 最高のなかの最高
- 第2章 時を告げるのではなく、時計をつくる
- 第3章 利益を超えて
- 第4章 基本理念を維持し、進歩を促す
- 第5章 社運を賭けた大胆な目標
- 第6章 カルトのような文化
- 第7章 大量のものを試して、うまくいったものを残す
- 第8章 生え抜きの経営陣
- 第9章 決して満足しない
- 第10章 はじまりの終わり
- おわりに - 頻繁に受ける質問
このブログを読まれている方の一番の疑問は、「ビジョナリーカンパニーの知見が学校などの組織にも当てはまるのか」だと思います。実は、その問いに対する回答がちゃんと書籍には記載されています。
この調査結果は、非営利団体にも適用できるのか
適用できる。形態が違う可能性があるだけで、どんな組織にも適応できる。私たちは非営利団体(スタンフォード大学)に勤務しており、ジェリー・ポラスは副学長を務めている。そして、私たちの調査結果を実際にうまく適応できることに気づいている。また企業の経営者が私たちの調査結果を非営利団体に適用した例もある。
「おわりに - 頻繁に受ける質問」より引用
さらに補足をすると、校長や理事長などの経営者でなくとも、この本を読んで行動できることはたくさんあります。私も初めて読んだ時に衝撃を受けたのがこの箇所です。
CEOではない立場で、何ができるのか
出来ることは山ほどある
第一に、ビジョナリー・カンパニーから学んだ教訓のほとんどは、スケールが小さくなるが、自分の責任の範囲で適応できる。時計を作る事は、組織にはどんなレベルでもできる。時計を作ると言うのは、業務の方法であると同時に、姿勢の問題だからだ。英雄的な指導者という考え方に従って問題解決のために闇雲に突っ走るのではなく、「この問題を解決するために、どのような過程を使うべきか」と考えてみる。
(中略)
企業が全体として、しっかりした基本理念を持っていないからといって、自分の部署がそれを持ってはならないわけではない。
もし私がベンチャーに勤めていた社員時代にこの本を読んでいたら、組織のためにもう少し何か出来たかもしれないなぁと感じました。CEO(経営者)や校長、理事長、管理職でなくとも、「組織を良くするための知恵」は学んでおいて損はないと思います。
「自分の所属している学校などの組織を良くしたい」「コミュニティを活性化させたい」、そう思う人はぜひ読んでみてください。