新型コロナウイルスによる学校の休校要請から1週間が経ちました。今週から多くの学校は臨時休校となっています。それに伴い、私の方にはオンライン授業や卒業式のライブ配信についてのご相談が多く寄せられています。そこで今回は、卒業式のライブ配信を検討している先生方に向けて、検討に役立つ情報をお届けしたいと思います。ライブ配信の具体的な手順については参考サイトを紹介し、私の方では躓きポイントや検討オプションなどの情報を補っていきたいと思います。臨時休校で困っている先生方の助けになれば幸いです。
お勧めの参考サイト
卒業式のライブ配信を検討される方は、まずはこの参考サイトをご一読ください。卒業式のライブ配信をするための手順が非常に分かりやすく写真付きでまとまっています。参考までに、最低限必要な機材はパソコン・スマホ・Wi-Fi環境で、配信ソフトはzoomとYouTubeになります。
こちらの参考サイトの内容を前提に、私の方で何点か補足をしていきたいと思います。
zoomは「ミーティング」ではなく「ウェビナー」を使う
元記事ではzoomの「ミーティング」機能を使っていますが、個人的には「ウエビナー」機能の方がお勧めです。ただし、最終的にYouTubeを使って配信するのであれば、ミーティングとウェビナーに機能の差はないので好みになります。細かい違いが知りたい人はこちらのサイトがお勧め。ちなみにウェビナーとは、ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を合わせた言葉です。
zoomの設定で「カスタムライブストリーム配信サービス」をON
デフォルトの状態では「カスタムライブストリーム配信サービス」は非表示になっています。表示させて使用するには、zoomの設定から機能をONにする必要があります。設定場所は「ミーティング」と「ウェビナー」で異なりますのでご注意ください。
「ミーティング」の設定場所は、設定>ミーティング>ミーティングにて(詳細)の一番最後にあります。
一方、「ウェビナー」のカスタムライブストリーム配信サービス設定は、学校アカウントの管理者にしかできません。設定場所は、管理者のアカウント設定>ウェビナー設定の一番最後にあります。
スマホの代わりにビデオカメラでもOK
参考サイトではスマホを使って撮影していますが、ビデオカメラを使うことももちろん可能です。ビデオカメラと配信用パソコンを有線で繋ぎ、zoomのカメラ選択から繋いだビデオカメラを選べば映像が切り替わります。ビデオカメラとパソコンの接続には変換アダプターが必要になります。参考までに、先日のオンラインセミナーではGV-HUVCを使用しました。MacとWindowsの両方に対応しているのでお勧めです。
スマホは4G回線でも大丈夫
スマホは4G回線を使えばインターネットにつながります。ライブ配信なのでそれなりに通信量がかかるイメージがありますが、zoomはとても通信量が軽いです。zoomの公式サイトによると、1時間あたり200~300MBだそうです。これなら4G回線を使っても安心ですね。
音楽・演奏・合唱の著作権は大丈夫
YouTubeでライブ配信をする時に気になるのが著作権の問題です。JASRACが管理している音楽であれば、YouTubeでライブ配信したりアップロードしたりしても大丈夫です。(YouTubeはJASRACと利用許諾契約を締結しているため。)
カメラOFF用のスライドがあると便利
ライブ配信の開始前や途中の休憩時間は、配信用のカメラをOFFにしたいことがあります。そのような時に、視聴者に表示させておくためのスライドが1枚あると便利です。zoomには画面共有の機能があるため、パソコン内のスライド(例えばパワーポイント)をカメラ映像と差し替えて表示させてることが可能です。(画面共有の詳しいやり方は公式サイトをご覧ください。)
クラスごとに複数のライブ配信も可能
卒業式の全体会が終わった後、クラスごとに教室に分かれて卒業証書を手渡す学校もあると思います。zoomアカウントを同時配信したい数だけ用意しておけば、YouTubeアカウントが一つしかなくても複数のライブ配信を同時に行えます。
複数のライブ配信を行う際の注意点としては、zoomとYouTubeを紐づける「ストリームキー」を配信ごとに変えておく必要があります。YouTubeのライブ配信を新規作成すれば自動的に異なるストリームキーが割り振られますが、以前のライブ配信のコピーから作成すると、同じストリームキーになる場合があるのでご注意ください。YouTubeのヘルプはこちら。
ライブ配信のリハーサルは大事
参考サイトにも書いてありますが、本番と同じ場所・機材を使ってリハーサルをすることは非常に大事です。必ず本番前に行ってください。リハーサルでチェックしておきたいポイントは、カメラの映像や音声入力(マイク)、音楽のボリューム、照明の明るさ、インターネット接続です。特に音声まわりは大事ですので、卒業式で使うマイクの出力を一本化して配信用パソコンに有線接続することをお勧めします。それが難しければ、外付けのUSBマイクを買って壇上に設置する方法もあります。