文部科学省が初等・中等教育でのアクティブラーニング推奨を打ち出して以来、学校の教育現場においてもアクティブラーニング導入の取り組みが活発になってきました。
先日、富士見丘中学校のアクティブラーニングの授業を取材してきましたので、その取り組みを紹介したいと思います。
題材は東大の入試問題
下の絵に描かれた状況を簡単に説明したうえで、それについてあなたが思ったことを述べよ。全体で60〜80語の英語で答えること。
こちらは今年出された東大の英語の入試問題。今回の富士見丘中学校のアクティブラーニングでは、なんとこの問題を題材にして授業が行われました。
「こんな難しい問題、中学一年生には無理ではないだろうか?」配られたプリントを一目見て感じた私の心配は杞憂。しっかりと中学生向けにアレンジされたプログラムになっていました。
富士見丘中学校では、アクティブラーニングの取り組みは今回が初。先生方が協力し、独自に調査し議論を重ね、試行錯誤しながらプログラムを創っていったそうです。
生徒が安心できる空間とファシリテーション
今回のアクティブラーニングの内容目標は「グループで協力してアイディアを出し整理・分類する」という協同学習。そのための仕掛けが随所に散りばめられていました。
何よりも素晴らしかったのが、その空間演出。アクティブラーニングの授業では、安全・安心で生徒がリラックスできる空間が必要不可欠です。今回の授業の教室となったのはこちら。
今回の教室であるペントハウスラウンジ。写真は富士見丘学園のホームページから。
太陽の明るい日差しを取り入れる大きい窓に、カフェのような雰囲気の机と椅子。授業に集まった生徒たちも、自然と笑顔がこぼれます。
そして、ひとたびディスカッションが始まると、今度は一転して真剣な眼差しで取り組む生徒たち。
このようにアクティブラーニングの授業では、笑顔と真剣な眼差しが同居するのです。それを陰で支えているのは、もちろん先生方の適切なファシリテーション。その手にはiPadも。
発表、振り返り、そして
授業の最後には、グループで話し合ったアイディアの発表と、ルーブリック評価を活用した振り返りが行われました。
富士見丘中学校は、今回のようなアクティブラーニングの授業を定期的に実施していくそうです。アクティブラーニングに触れた生徒たちがどのように成長していくのか、本ブログでも継続的に取材をしていきたいと思います。
なお今回の取材は、私立学校研究家の本間勇人氏の同行取材という形で行わせていただきました。本間勇人氏のブログ「ホンマノオト」では、最新の教育業界の動向について独自の切り口から考察されています。教育業界で起こっていることに興味のある方は、ぜひ一度ご覧ください。