【開催レポート】第4回新中学入試セミナー(3)和洋九段女子のPBL型授業が引き起こす生徒と教師の自己変容

2月16日(日)に開催された第4回新中学入試セミナーの開催レポート(3)です。首都圏模試センター取締役・教育研究所長である北一成氏の基調講演の次は、和洋九段女子中学校高等学校の中込真校長による基調講演です。講演タイトルは「未来を拓くグローバル教育×PBL」です。和洋九段女子はPBL型授業を学校全体に導入して4年が経ちます。その改革推移と成果について、今回はお話くださいました。


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和洋九段女子のPBL型授業

最初に中込校長は、和洋九段女子のPBL型授業の3つの特徴について説明しました。1つ目の特徴は、PBL型授業は全科目・全教員で実施していること。2つ目の特徴は、基本的にどの科目でも同じ構造のPBL型授業であること。3つ目の特徴は、独自のルーブリックを使って評価を行っていることです。

和洋九段女子の入学してきた生徒は、平均的に「優等生・おとなしい・目立つことを嫌う・素直」だそうです。この生徒たちを今求められている人に育てるために、PBL型授業が重要な役割を担っているのだと、中込校長は熱心に語ります。

PBL型授業を通して、生徒たちは成長します。PBLは協働・主体的な深い学びですので、積極性・自己肯定感・コミュニケーション能力はもちろん育ちます。それだけでなく和洋九段女子のPBLでは、表現することの喜びや評価される意義も生徒たちは実感するのだと言います。

改革4年目を終えて

和洋九段女子はPBL型授業を全面的に展開して今年で4年になります。「PBL型授業を導入して変わったことは沢山ありますが、最も良かったのは『オープンマインド、connectするチカラ』を生徒たちが獲得したことです」と中込校長は言います。この「つながるチカラ」は生徒だけでなく、教員へ、そして学校全体へと浸透していき、和洋九段女子は新しい価値を持つ学校「Connected School」になれたのだと語りました。

中込校長は4年間の改革を振り返りながら、どのような取り組みをしてきたのかを紹介しました。和洋九段女子の取り組みは多岐にわたっており、例えばSDGsをテーマにしたPBL型授業では大使館やグローバル企業、NPO法人への訪問を実施したり、大学や企業と連携したSTEM教育・STEAM教育のプログラムを展開したりしてきました。

こうした様々な21世紀型教育の取り組みの中で、和洋九段女子にとって最良の育成プログラムは「SDGsを基調としたグローバル体験」「カンボジア支援活動の実行」「地方社会の問題解決へのチャレンジ」の3つだと中込校長は言います。なぜなら、これらはすべて生徒主導型で実施されたプログラムで、生徒や教員の成長に大きく貢献しているからです。

中込校長の基調講演資料より引用

最後に中込校長は、「PBL型授業は学校のすべてを変えます!教員も生徒も自己変容できるのです」と言って基調講演を締め括りました。和洋九段女子のPBLによる大きな成果が、セミナーの参加者にしっかりと伝わったと思います。中込校長の次は、和洋九段女子の生徒たちによる「PBLで生まれたSDGsスゴロクワークショップ」です。百聞は一見にしかず、ですね。このSDGsスゴロクワークショップは、和洋九段女子の中学3年生の生徒たちがPBL型授業で企画・開発したプログラムになります。(続く)