毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「生徒の学習端末更新に2643億円の補正予算」「文部科学省、不登校対策で校内居場所づくり拡充」「ベネッセがMBOで株式の非上場化を発表」について取り上げています。
生徒の学習端末更新に2643億円の補正予算
先週にもお伝えしたGIGA端末更新のための補正予算と基金創設についての追加報道です。
全ての小中学生に学習用デジタル端末を配布した「GIGAスクール構想」で、文部科学省は各都道府県に総額2643億円の基金を創設し、端末更新を進める方針を固めた。年度をまたいだ計画的更新を可能とすることで、調達コスト削減につなげる。2023年度の補正予算案に計上し、高校でのデジタル人材育成にも100億円を盛り込む。関係者への取材で6日分かった。
文部科学省、不登校対策で校内居場所づくり拡充
文部科学省は10日、公立小中学校の空き教室で不登校の児童生徒の学習指導などをする「校内教育支援センター」を6千校に新設するため、2023年度補正予算案に29億円を計上した。来年度予算に3600校分の補助金を確保する予定だったが、不登校急増を受けて「居場所づくり」の計画を拡充して前倒しする。
文科省によると、22年度に30日以上欠席した不登校の小中学生は約29万9千人で過去最多。うち4割近くが専門的な支援を受けられていないとの調査結果があり、「校内フリースクール」とも呼ばれる支援センターを活用する。自分のクラスに行きづらくても、教員らによる学習や生活の支援が受けられるという。
ベネッセがMBOで株式の非上場化を発表
教育業界の大手であるベネッセが事業変革のため、経営陣による自社株買収(MBO)と非上場化を発表しました。ベネッセは有力な外部パートナーとの提携も検討しており、今後の動きに注目が集まっています。
ベネッセホールディングス(HD)は10日、経営陣による自社株買収(MBO)を実施し、株式を非上場化すると発表した。少子化で主力の「進研ゼミ」など教育事業の先細りが続く中、意思決定を迅速にできる環境を整える。ベネッセ創業家の提案で、買収額は2000億円超を見込む。
中略
22年に語学教室「ベルリッツ」を手放すなど構造改革を進め、今年5月にも新たな事業計画を発表していた。その後、創業家側から取締役会に「長期的、持続的な事業変革が不可避で、有力な外部パートナーと協業すべきだ」と、MBOの提案があったという。
非上場化後は、デジタル技術を活用した教育事業の刷新や、企業の合併・買収(M&A)によって成長を図る。EQTは約2320億ユーロ(約37兆円)の資産を運用しており、教育や介護分野での投資実績も多い。ベネッセの小林仁社長は10日のオンライン記者会見で、「EQTの経験やネットワークを活用した改革により、企業価値の向上につなげる」と強調した。