土曜日の読書会に備えて、ドラッカーの名著「非営利組織の経営」を読み直しています。言わずもがな、学校やNPO、一般社団法人などが非営利組織に含まれます。これまでは学校コンサルの立場からこの本を読んできましたが、今年の6月から一般社団法人を設立したこともあって、以前とは違う箇所が刺さるようになりました。学校経営者はもちろんのこと、管理職の先生や学級経営、民間のコミュニティ運営に関わる人におすすめの至高の一冊です。
書籍紹介
目次は以下の通りです。
- 第Ⅰ部 ミッションとリーダーシップ
- 第1章 ミッション
- 第2章 イノベーションとリーダーシップ
- 第3章 目標の設定
- 第4章 リーダーの責任
- 第5章 リーダーであるということ
- 第Ⅱ部 マーケティング、イノベーション、資金源開拓
- 第1章 マーケティングと資金源開拓
- 第2章 成功する戦略
- 第3章 非営利組織のマーケティング戦略
- 第4章 資金源の開拓
- 第5章 非営利組織の戦略
- 第Ⅲ部 非営利組織の成果
- 第1章 非営利組織にとっての成果
- 第2章 「してはならないこと」と「しなければならないこと」
- 第3章 成果をあげるための意思決定
- 第4章 学校の改革
- 第5章 成果が評価基準
- 第Ⅳ部 ボランティアと理事会
- 第1章 人事と組織
- 第2章 理事会とコミュニティ
- 第3章 ボランティアから無給のスタッフへの変身
- 第4章 理事会の役割
- 第5章 人のマネジメント
- 第Ⅴ部 自己開発
- 第1章 自らの成長
- 第2章 何によって憶えられたいか
- 第3章 第二の人生としての非営利組織
- 第4章 非営利組織における女性の活躍
- 第5章 自らを成長させるということ
さすがドラッカーの著作なだけあって、どの部も大変読み応えがあります。それでも敢えてお勧めをあげるとしたら、第1部の「ミッションとリーダーシップ」でしょう。利害関係者が多数いる非営利組織において、ミッションとリーダーシップ無くしてひとつにまとまることは無いからです。
学校関係者に特にお勧めなのが、第1部にプラスして第3部の「非営利組織の成果」です。学校の成果とはなんなのか。教師、教育委員会、納税者、保護者、生徒などの多様な関係者を満足させながら、どうやって成果を上げて長期目標を達成していけば良いのか。考えるヒントがたくさん詰まっています。
最近では民間で成功した経営者を校長に抜擢するケースが増えてきましたが、この施策は必ずしも上手くいくとは限りません。なぜなら、民間企業は株主、顧客、従業員のように利害関係者が限られているのに対し、学校などの非営利組織は多数で多様な利害関係者がいるからです。非営利組織の方が実は経営が難しいのです。
そうしたことが学べる至高の一冊です。ドラッカーの書籍の中でも特におすすめの本ですので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
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