今日紹介する本は、将来天文学を学びたいと考えている高校生にお勧めの「新・天文学事典 」です。事典とありますが、どちらかと言えば教科書に近いイメージですね。第一線で活躍する研究者26名によって分担して執筆されており、天文学のすべての領域を網羅しているのが特徴です。ブラックホールや宇宙生物学、さらには宇宙開発の章も用意されており、読み応えたっぷりです。私もボロボロになるまで使っている本ですので、天文学を学んでみたい人には全力でお勧めできる一冊です。
書籍紹介
目次は以下の通りです。
- 第1章 宇宙論
- 第2章 ダークエネルギー
- 第3章 ダークマター
- 第4章 宇宙の大規模構造
- 第5章 銀河
- 第6章 銀河系
- 第7章 星
- 第8章 太陽
- 第9章 太陽系
- 第10章 太陽系外惑星
- 第11章 ブラックホール
- 第12章 巨大ブラックホールと 活動銀河中心核
- 第13章 星間物質
- 第14章 銀河間物質
- 第15章 宇宙生物学
- 第16章 観測技術
- 第17章 飛翔体による宇宙探査と宇宙開発
- 第18章 天文学の教育と普及
目次を見てもらえばわかるように、これ一冊で本当に天文学のすべての領域が網羅されている凄い本です。大学院で天文学を研究している大学院生であっても、自分の専門外の分野には疎いものです。そういう意味でも、この本は大学院でも重宝する一冊です。
内容のレベルは、ブルーバックスなので宇宙好き高校生が読める水準です。時折登場する数式は高校生にはちょっと難しいかもしれませんが、それもまた良い刺激になると思います。
唯一の欠点は2013年発行ですので内容がやや古くなってきているところなんですが、天文学の導入書としてこれ以上のものはないですので、将来天文学を学びたいと思っている高校生・大学生はぜひ購入しておくと良いでしょう。