障害者のテレワークと特別支援教育のICT

先日、「障害者にもテレワークを広げよう」という取り組みがNHKで紹介されていました。障害者にとってテレワークは、コロナ感染症対策として有効である点だけでなく、柔軟な働き方を実現させられる点においても魅力的だと思います。コロナ禍の働き方は障害者にとっても転換期にあります。これからの時代、特別支援教育においてもICT教育の重要性は増していくでしょう。


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障害者とテレワークとICT教育

高木さんは、ことし5月末まで都内の飲食店でソムリエとして接客の仕事をしていました。

しかし、新型コロナウイルスに感染し、死亡した同い年の力士に基礎疾患があったとの報道を見て、感染がひと事ではないと考えるようになりました。

働いていた店が営業自粛で休業し、再開のめどもたたなかったことから退職し、テレワークで働けるIT関係の仕事に就こうと、障害者の就労支援を行う事業所に通い始めたということです。

高木さんは「薬で免疫が下がっているので、飲食店で働いていた時は、感染の不安や、命が脅かされる不安を感じる機会が多かったです。企業にはどのような障害のある人がどういった働き方をしているのかを聞き、テレワークが進んでいることも分かったので、安心出来ました。ウェブデザイナーのスキルを磨いて、人との接触が少ない仕事を選びたいと思います」と話していました。

NHK「障害者にもテレワークを」より引用

コロナ禍によってリアルに強い制約がかけられてしまった反面、社会のダイバーシティは前進しています。その立役者がテクノロジーです。

ZoomやSlackなどのオンラインコミュニケーションツールはもちろん、UDトークなどのコミュニケーション支援アプリも日々進化してきています。

テレワークでは、コンピュータを介してのコミュニケーションが当たり前になるため、障害者を支援するためのテクノロジーを入れやすくなりました。また、身体に障害のある人にとっても、移動が少なくなればハンデは相対的に小さくなります。

テレワークはダイバーシティに優しいのです。

こうした新しい働き方を見据えて、特別支援教育においてもICT教育の重要性は増していくと感じています。

ただ、このように書くと「全ての特別支援学校にICT教育を!」となってしまいがちですが、それは良くないと思います。同じ障害者でも、テレワークの働き方にフィットする子供もいれば、そうでない子供もいます。

全員が一律にICT教育を受けるのはナンセンスでしょう。そうではなく、テレワークを求めている子供たちに対してICTの支援をすれば良いのです。

特別支援教育においても、個別最適化されたICT教育が求められる時代なのです。