マサチューセッツ大学アマースト校で行われた対照実験の論文が発表されました。この研究では、AIを使用するクラスと使用しないクラスの学習成果を比較しています。
結果によると、生成AIを構造的に利用することで、学生の学習意欲と自信が向上しました。一方で、試験の成績には有意な差は見られませんでした。特に注目すべきは、AI使用グループの学生が、自分自身の判断を優先する「内省的学習(過去の経験や考えから学ぶ学習)」の習慣を、非使用グループよりも多く身につけていたという点です。
AIを導入することで生徒が自分で考えなくなるのではないか――特に中高の教育現場では、こうした懸念が根強くあります。しかし、この研究は、適切に導入し構造的に使用することで、懸念とは逆に、学生がより効率的に、より自信を持って学べることを示唆しています。
興味のある方は、ぜひ論文をチェックしてみてください。
Allowing Generative AI in Class: Evidence from a Semester-Long Controlled Teaching Study
注目研究はこちらになります。
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マサチューセッツ大学アマースト校の教授陣が、3、4年生向けの独占禁止法に関する経済学の授業を2クラス開講し、AIを使用するクラスと使用しないクラスの学習成果を比較しました。
両クラスにて、講義内容、課題、そしてノートやテクノロジー使用禁止という同じ条件下で筆記試験を行なったところ、生成AIを構造的に利用することにより、学生の学習意欲と自信が向上。一方で、試験の成績には影響しなかったのだとか。
研究チームが学術誌Social Science Research Networkに発表した論文では、「結果はシンプルです。AIの使用を許可し、段階的に活用させても、この授業では試験の点数は上がりませんでした。しかし、この取り組みは学生の学び方や学習への感じ方を大きく変えました」と記されています。
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