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文部科学省・経済産業省による「博士人材活躍プラン」が始動

最近、文部科学大臣を議長とする「博士人材の社会的活躍促進タスクフォース」が、「博士人材活躍プラン~博士をとろう~」を発表し、大きな注目を集めました。このプランは、2040年までに人口100万人あたりの博士号取得者数を世界トップクラスに引き上げるという野心的な目標を掲げています。具体的には、博士人材の育成及びその活用の促進を目指します。


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博士人材活躍プラン~博士をとろう~

日本の博士号取得者数は人口100万人当たりで日本は123人(20年度)と、主要7カ国と比べると4割程度と低い現状があります。また、米国やドイツ、英国、韓国では博士号取得者が増加しているのに対し、日本では横ばいが続いています。

日本では、人口100万人あたりの博士号取得者数が123人(2020年度)であり、これはG7諸国と比較して約40%に留まっています。米国、ドイツ、英国、韓国などでは博士号取得者数が増加傾向にある一方で、日本では停滞が続いています。

この背景には、少子化だけでなく、博士人材が企業に就職しても、その高度な知識を生かせる環境や待遇が不十分であるため、若者が進学を選択しにくいという問題があります。私自身も博士課程に進学した経験があり、研究者以外の道を目指す場合、修士課程で就職する方が給与やキャリア面で有利だと感じていました。さらに、アメリカの大学院では十分な給与が支払われるのに対し、日本では奨学金に頼らざるを得ない状況がほとんどです。私自身、大学院での5年間に借りた奨学金の返済にも苦労しています。これらの課題を解決しなければ、日本の博士人材を増やすことは難しいでしょう。

「博士人材活躍プラン~博士をとろう~」は、文部科学省だけでなく経済産業省との共同で推進されています。博士人材の社会的地位の向上と就職機会の確保が進むことで、現状は大きく改善されることが期待されます。文部科学省と経済産業省の今後の取り組みに大いに期待しています。