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先生のための Weekly 教育ニュース(12/4〜12/10)

毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)2022の結果が公表」「2023年度入試、年内入試が入学生の半数を初突破」「東京都、私立高校を含む授業料無償化の所得制限を撤廃」「大学入学共通テスト、東大は情報1の配点を減らさず」「Googleが最新AI『Gemini』を発表、スマホで動作するモデルも」について取り上げています。


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OECD生徒の学習到達度調査(PISA)2022の結果が公表

経済協力開発機構(OECD)によって3年ごとに行われている国際的な学習到達度調査プログラムであるPISA(Programme for International Student Assessment)の2022年の結果が公表されました。この調査は、15歳の学生を対象にして、読解リテラシー、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野での能力を測定しています。2022年の調査では、特に数学的リテラシーの分野に焦点が当てられました。

結果概要はこちらをご覧ください。


国立教育政策研究所の「PISA2022のポイント」より引用

これらの結果については、様々なメディアで報じられていますが、教育関係者にはメディアの分析や主張をそのまま受け入れるのではなく、国立教育政策研究所が公開している「PISA 2022のポイント」の一次情報を参考に、自分の頭で考えることを推奨します。特にPISAの結果が発表された直後は、それを自分の教育実践の証拠として利用しようとする意見が多く見られますので、その点には注意が必要です。

OECD生徒の学習到達度調査2022年調査(PISA2022)のポイント 

2023年度入試、年内入試が入学生の半数を初突破

PISAの報道の陰に隠れがちですが、私が個人的に大変注目しているのがこちらのニュースです。

2023年度入試で総合型選抜(旧AO入試)と学校推薦型選抜といういわゆる「年内入試」による入学生が、初めて全体の5割を超えたことが、文部科学省のまとめで明らかになった。難関大学を目指す受験生にとって選択肢の一つであるうえ、18歳人口の減少で受験生確保が難しくなりつつある大学側の事情も影響しているとみられる。

 文科省によると、総合型選抜による入学生は国立5,744人、公立1,445人、私立8万5,204人の合計9万2,393人。入学生全体の14.8%を占めた。学校推薦型選抜による入学生は国立1万2,015人、公立9,083人、私立20万3,375人の合計22万4,473人。全体に占める割合は35.9%で、前年度入試に比べ、私立は若干減ったものの、国公立は増加した。

 総合型選抜と学校推薦型選抜を合わせた入学生の割合は、前年度より1ポイント高い50.7%となり、初めて入学生の半数を超えている。

東京都、私立高校を含む授業料無償化の所得制限を撤廃

東京都は2024年度から、都内に住む高校生全員を対象に授業料の支援を拡大すると発表しました。これにより、私立校を含む全ての高校の授業料が実質的に無償化されることになりました。従来は、年収910万円未満の世帯に限り、年間最大48万円までの授業料助成が行われていましたが、この所得制限が撤廃されることになります。この変更により、より多くの生徒たちにとって高校の選択の幅が広がることでしょう。東京都にお住まいの保護者や教育関係者の方々は要チェックです。

大学入学共通テスト、東大は情報1の配点を減らさず

東京大は、2025年1月実施の大学入学共通テストから出題が始まる「情報I」の配点を100点とすると発表した。配点を減らすなどの特別な措置は行わない。東大では共通テストの成績(1000点満点)を110点満点に換算し、2次試験(440点満点)との合計550点満点で合否を判定する。

 国立大学は原則、共通テストで「情報I」を受験生に課すことを申し合わせたが、得点を合否判定に使わなかったり、配点を減らしたりする大学も出ていた。

Googleが最新AI『Gemini』を発表、スマホで動作するモデルも

最後は生成AI関連のニュースを紹介します。知の巨人Googleが最新AI『Gemini』を発表し、業界内外で大きな話題を呼んでいます。『Gemini』は、性能評価においてChatGPTを凌駕する能力を示しており、またスマホに搭載できるモデルも同時発表するなど、注目を集めています。

米グーグル(Google)は、同社の新AI「Gemini」を発表した。処理能力の異なる3つのモデルがラインアップされ、そのうち、もっとも効率的なモデルという「Gemini Nano」は本日より「Pixel 8 Pro」でも利用できるようになる。

「Gemini」は、グーグルが新たに発表したAIモデル。まずは「Gemini 1.0」として、Ultra、Pro、Nanoという3つのサイズが用意される。