有料版ChatGPT限定だった新機能「Custom instructions(カスタム指示)」が無料版でも利用可能になりました。この「カスタム指示」機能とは、名前のとおりに特別な指示をChatGPTに設定できるもので、同じ指示を毎回入力する手間を省くことができます。具体的には、あらかじめ「ユーザーの情報(仕事や立場等)」と「ChatGPTからの期待する応答の内容」を設定することで、ChatGPTはそれらの情報を基にした回答を行います。例えば、「私は中学生の国語教師です」といった自己紹介や「小学生向けの簡単な言葉で答えてください」という指示など、カスタム指示として設定することができます。「ChatGPTに毎回同じ指示内容を入力するのが面倒だ」と思っていた方は、ぜひこの新機能を試してみてください。
Custom instructions(カスタム指示)の設定方法
カスタム指示の設定方法はとても簡単です。まずは画面左下にあるユーザー名をクリックしましょう(①)。
次に、「Custom instructions」をクリックします(②)。
「Custom instructions」のイントロダクションが表示されますので、そのまま「OK」をクリックします(③)。
すると「Custom instructions」の設定画面が表示されます。この画面で設定を行い、右下の「Save」をクリックすれば設定完了です。
なお、「カスタム指示」の設定は、入力完了後、新しく開始するチャットウィンドウから適用されます。すでに開始しているの会話セッションには、設定内容は適用されない点をご注意ください。もし新しいチャットで「カスタム指示」を適用させたくない場合は、設定画面左下の「Enable for new chats」をオフにし、「Save」ボタンをクリックしてください。
Custom instructions(カスタム指示)の活用方法
「カスタム指示」には、二つの入力欄が配置されています。上部の入力欄には、「ChatGPTにあなたの情報を理解させ、最適な回答を得るための背景情報」を記述します。公式ガイドラインでは、
- 住んでいる場所
- 職業・仕事
- 趣味や関心
- 熱心に話せるトピック
- 個人の目標
などの情報を記入することを推奨しています。
私の書籍「教師のためのChatGPT入門」を読んでいる方へのアドバイスとして、特に「私は中学3年生の数学教師です」や「学校の広報を担当しています」といった、具体的な職務に関する情報を入力することで、ChatGPTがより適切な回答を提供しやすくなるでしょう。
次に、設定画面の下部に配置された入力欄では、「ChatGPTにどのような対応をとらせたいか」を指定します。公式ガイドラインでの提案内容は以下の通りです。
- 回答のトーン(オフィシャルまたはカジュアル)
- 回答の長さ
- どのような呼び掛けを好むか
- ChatGPTが中立的であるべきか、または意見を持つべきか
私のお勧めとして、初めにChatGPTで頻繁に利用する設定を保存しておくと良いでしょう。例として「小学3年生にも理解できるように回答してほしい」や「教育の専門家として文章を構築してほしい」といった指定が考えられます。
また、特にお勧めしたいのは、私が書籍で紹介している「深津式プロンプト・システム2」を設定に追加する方法です。
このタスクで最高の結果を出すために、追加の情報が必要な場合は、質問をしてください。
深津式プロンプト・システム2
このフレーズを追加すると、入力内容が不完全な場合でもChatGPTが質問を追加してくれるため、より効果的な対話が期待できます。お勧めです。
なお、ChatGPTについての基礎知識や上手な活用方法を知りたい方は、ぜひこちらの書籍をご覧ください。