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お勧め記事〜この国ではファクトや論理より空気のほうが重い by 安宅和人氏

今日は安宅和人さんのお勧め記事紹介です。記事のタイトルは「この国ではファクトや論理より空気のほうが重い」です。安宅さんが富山県の県立高校の先生、約2,000人の前でお話された内容が記事になっています。教育者として生徒たちに何を伝えていくか考えさせられる内容になっています。昨年10月末の記事なので既に読まれた先生も多いと思いますが、まだ読んでいない方がいましたらこの機会にぜひご一読ください。


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この国ではファクトや論理より空気のほうが重い

お勧め記事はこちらになります。冒頭を引用します。

自分が高校生だったら、先生方に何をわかっていてほしいだろうかということを考え、世の中について、必ずしも正しく理解されているとは思えない、理解されているなら現在のような教育になっていないだろうと思ういくつかのポイントになると思うことをお話した。

曰く、世界は人口調整局面にあり、人口が減ることを前提とした社会を作る必要がある。これは教育だけでなく、あらゆる分野で起きる。この展望を受入れ、その変化とソフトランディングを担う人材を育てていく必要がある。

曰く、既にデータやAIを使い倒したプラットフォーム企業が世界の企業価値のトップになって久しい。これはこれらの企業が最も「新しい不可欠な価値を」生み出しているということを意味している。電気や化学の登場と同じで、どれほど懐かしく思ってもデータやAIがない世界に戻ることは考えられない。したがって新しく仕掛ける側の人がいなければそうとう厄介なことに。そのためには価値観と基礎素養の刷新が必要。

曰く、New economy全盛に見えるかもしれないが、既に第三勢力の時代に突入し、あらゆる産業で産業の境が組み変わっていきつつある。例えば、富山を代表する産業である製薬。この数年間、世界で最も多くの人の命を救ったクスリはmRNAワクチンだが、これは実質的にbioinformaticsとgenetic engineeringの産物。薬草、化学合成、抗生物質探索とは相当に異質。この変化はクルマ、エネルギー、農業、金融、娯楽などあらゆる分野で起き始めており、産業は一見同じだとしても、全く異なる大局観と見立て(perspective)が必要になる。

曰く、この変化を受け「単独の知」の時代は終了し、collective intelligence、集合知の時代に突入している。人と人とのかかわり合いから現状と課題を知り、価値提供の方向を見出し、人を動かすことが大切になる。専門的な深さも大切だが、特定領域の専門性だけでは課題を解決ができない上、様々な価値をappreciateでき、様々な人とのつながりから楽しみつつ価値を生み出していく力が大切になる。