先生のための Weekly 教育ニュース(10/24〜10/30)

毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「高校入試での部活動の評価基準明示を文部科学省が要望」「性教育のはどめ規定は撤廃しない方針へ」「小中学生の不登校急増、最多24万人」「いじめ過去最多で対策の新会議立ち上げを検討」「中三の金融に対する意識調査、税や社会保険に7割が関心」について取り上げています。


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高校入試での部活動の評価基準明示を文部科学省が要望

文部科学省は、中学校が内申書(調査書)に記載する部活動の実績などが、高校入試でどのように評価されるか受験生に明示するよう都道府県教育委員会に求める方針を決めた。公立高入試は各都道府県で方式が異なるため、文科省は内申書の扱い方も含めた実態調査を行い、年内にも結果を公表する。

性教育のはどめ規定は撤廃しない方針へ

今年8月に日本財団から出された「包括的性教育の推進に関する提言書」がきっかけで、中学校学習指導要領(保健体育)等で「妊娠の経過(性交)は取り扱わない」とする「はどめ規定」について議論が起こっています。こちらに対し、文部科学大臣から「撤廃することは考えていない」と答弁がありました。

学習指導要領の性に関する「はどめ規定」について、永岡桂子文科相は10月26日、衆議院文科委員会の質疑で、「撤廃することは考えていない」と答弁し、規定を見直す考えがないことを明らかにした。性に関する「はどめ規定」の撤廃は、学校現場での包括的性教育の推進を求めて立憲民主党が先に文科省に提出した申し入れ書に盛り込まれており、同党の菊田真紀子議員が永岡文科相に受け止めをただした。永岡文科相は「性に対する価値観は多様。全ての生徒に共通する指導内容としては『妊娠の経過は取り扱わない』としているが、文科省としては、子供たちが性に関して正しく理解し、適切な行動がとれるように、現行の学習指導要領に基づく着実な指導に努めていく」と述べ、理解を求めた。

小中学生の不登校急増、最多24万人

2021年度に30日以上登校せず「不登校」とされた小中学生は、前年度から24・9%(4万8813人)増え、過去最多の24万4940人だったことが文部科学省の全国調査で分かった。初めて20万人を超え、増え幅も過去最大となった。小中高校などのいじめの認知件数も過去最多を更新。文科省は、長引くコロナ禍に起因する心身の不調やストレスが影響していると分析している。

不登校急増は大きな社会課題です。ぜひこちらの今村さんの記事もご一読ください。

いじめ過去最多で対策の新会議立ち上げを検討

永岡文部科学大臣は28日閣議後の記者会見で、いじめ認知件数が過去最多となったことを受けて、「こども家庭庁設立準備室」と共同で関係府省の局長などによる会議を新たに立ち上げて、いじめ防止対策を検討すると表明しました。

同時に専門家により構成される「いじめ防止対策協議会」に審議要請を行うということです。

中三の金融に対する意識調査、税や社会保険に7割が関心

今年4月から義務化された金融教育について、中学3年性を対象にしたアンケート調査結果です。

金融教育の研究機関が全国の中学3年生を対象に実施した調査によると、将来納める税や社会保険料を「知っておきたい」と考えている生徒が約7割に上った。社会に出た後の負担について、多くの中3生が不安に感じている姿が垣間見える結果となった。

中略

「将来のために知っておきたいこと」を複数回答で尋ねたところ、「税や社会保険料」が69%で最多。「人生設計やお金の管理方法」(65%)、「社会保障や受け取る年金」(50%)が続いた。

生徒たちが金融教育に前向きなのはとても素晴らしいですね。一方で教員側ではこうした課題も出てきています。金融教育は教員にとっても新しい内容ですので、民間でサポート体制を作っていきましょう。

「金融経済教育を推進する研究会」(事務局・日本証券業協会)が全国の中学校教員に実施した調査で、金融教育の授業時間について「足りない」との回答が計44.1%だったことが26日、分かった。2014年の前回調査の54.2%に比べ改善したが、依然高い水準だった。教員に十分な知識や指導法がないとの回答も目立ち、政府が進める「資産所得倍増プラン」の課題となりそうだ。