毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「教員採用試験の早期化へ、協議会立ち上げ」「文部科学省、公立学校教員のメンタルヘルス対策へ」「12年前に作られた教員向けの手引『生徒指導提要』が初改定」について取り上げています。
教員採用試験の早期化へ、協議会立ち上げ
公立小中学校の教員採用試験の競争率低迷の打開策として、文部科学省が採用試験の早期化や複数回実施の検討を始めました。文部科学省の気持も分かりますが、教員の人気低迷の根本原因は「受験の機会」とは別にあるでしょう。教員の働き方改革など多方面での対策を期待しています。
文部科学省は2022年10月3日、教員採用選考試験の早期化や複数回実施に向けて検討するための協議会を10月中に立ち上げることを明らかにした。早ければ2024年度に実施する試験から導入する見通し。
文部科学省の永岡桂子大臣は、9月29日に開かれた文部科学省と都道府県・政令市教育長とのオンライン会議において、教員採用選考試験の早期化や複数回実施、通年採用等に向けて具体的に検討するための協議会を立ち上げたいと表明。10月3日の会見で、あらためて目的や見通し等を説明した。
文部科学省、公立学校教員のメンタルヘルス対策へ
文部科学省が公立学校教員のメンタルヘルス対策に乗り出しました。
文部科学省は、公立学校教員のメンタルヘルス対策を強化する。精神疾患で病気休職している教員について原因を分析。対策を考えて実行し、効果を検証する。都道府県・政令市の教育委員会に委託して2023~25年度の3年間で調査研究を行う。23年度予算概算要求に関連経費9000万円を新規計上した。
文科省調査によると、毎年度5000人前後の教職員が精神疾患で休職している。20年度は5180人に上り、在職者に占める割合は0.56%。休職によって授業に影響が出たり、他の教員の負担が重くなったりする問題も深刻だ。
中略
今回は、より現場に即した対策を講じるため、全国7カ所の教委を選び、それぞれ原因分析と対策検討を行ってもらう。23年度は各教委に約1300万円の事業費を配る。具体的な対策は現場のアイデアに任せるが、文科省担当者は「精神疾患は一度発症すると、復帰しても再発可能性が高くなる」と指摘。発症前の予防と発症後のケアを両方考えてほしいと話す。
想定される対策としては、ストレスがたまっているかどうか教員自身で確認するセルフチェック▽管理職による各教員の状況把握▽オンライン面談など相談体制の整備▽カウンセラーの配置―などがあるという。同省はこの事業とは別に働き方改革として、教員の代わりに事務作業を担う人材の人数を倍増させる。
個人的には、記事の最後にある「教員の代わりに事務作業を担う人材の人数を倍増」に期待しています。学校の事務員を増やすことで、教員の働き方改革はかなり進むと思っています。
12年前に作られた教員向けの手引「生徒指導提要」が初改定
文部科学省が、12年前に作られた教員向けの手引「生徒指導提要」を初めて改訂する。8月に公表された改訂案では、教員による不適切な言動を禁止する記述が新たに盛り込まれたほか、自殺、虐待といった子どもを取り巻く深刻な課題をめぐる記述が拡充された。専門家は、改訂案に書かれたことを実現させるためには、学校に配置する人員の充実が欠かせないと指摘する。
生徒指導提要は、生徒指導の定義や授業との関係のほか、いじめや少年非行、自殺、性といった子どもを取り巻く課題についての対応手順などをまとめた教員向けの手引。文科省は今秋にも改訂版をオンラインで公表し、全国の国公私立学校に周知する予定だ。