先生のための Weekly 教育ニュース(12/27〜1/9)

毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「大学入学許通テスト、濃厚接触者でも受験できるよう方針転換」「文部科学省が高校1人1台ICT端末を強く推進」「デジタル庁、個人の学習履歴などの教育データをデジタル化する方針」について取り上げています。


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大学入学許通テスト、濃厚接触者でも受験できるよう方針転換

文部科学省は12月24日、「オミクロン株感染者の濃厚接触者は症状の有無にかかわらず受験を認めない」とのガイドラインを各大学に通知し、物議を醸しました。これに反応して岸田首相は26日に受験機会の確保を検討するように文科省に指示し、ガイドラインが見直されました。受験生ならびに高校の先生は、新しいガイドラインの内容をチェックしておきましょう。

文部科学省はこれまで、オミクロン株を含む新型コロナの感染者の濃厚接触者について、受験の際には▽自治体のPCR検査などで陰性が証明され、▽受験当日も無症状で、▽電車やバス、タクシーなどの公共交通機関の利用を避けて来場し、▽別室で受験することを要件に挙げていました。

しかし、公共交通機関を利用しないという要件は自家用車の有無といった家庭の事情によって制約が生じ、公平な受験機会を確保できないおそれがあったことから、文部科学省は先月末から国土交通省などと検討を進めていました。

その結果、「タクシー」と「ハイヤー」それに「海上タクシー」については、仕切りなどの感染対策が講じられていることや、濃厚接触者であることを伝えたうえで予約をするといった一定の条件のもと、無症状の濃厚接触者の受験生が来場する際の利用を認める方針を固めたことがわかりました。

文部科学省が高校1人1台ICT端末を強く推進

重要ニュースです。12月24日、文部科学省から「GIGA スクール構想における高等学校の学習者用コンピュータ端末 の整備の促進について」という通知が各都道府県宛に出されました。タイトルから分かるように、高校における生徒1人1台ICT端末導入を強く推進する内容となっています。

令和3年 12 月 24 日に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点 計画」では、「高等学校段階の1人1台端末については、新型コロナウイルス 感染症対応地方創生臨時交付金の活用も含め、各都道府県における整備状況を 国としてフォローアップし、必要な取組を促す」とされたところです。

また、高等学校については、令和4年度入学生から、新学習指導要領が年次 進行で実施されます。新学習指導要領においては、情報活用能力を学習の基盤 となる資質・能力の一つとして位置付けるとともに、情報科における共通必履 修科目「情報I」においても、全ての生徒がプログラミング、情報セキュリテ ィを含むネットワーク、データベースの基礎等について学習を開始することと なっております。

これらを踏まえても、高等学校段階においても1人1台の学習者用コンピュ ータ端末(以下単に「端末」という。)環境を早急に整備することが必要です。

GIGA スクール構想における高等学校の学習者用コンピュータ端末 の整備の促進について(通知)

(掲載ページ)
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_00001.htm

(通知PDF)
https://www.mext.go.jp/content/20211228-mxt_shuukyo01-000011648_001.pdf

生徒1人1台ICT端末を用意するための財源ですが、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」というのが充てがわれています。

(掲載ページ)
https://www.chisou.go.jp/tiiki/rinjikoufukin/index.html

(通知PDF)
https://www.chisou.go.jp/tiiki/rinjikoufukin/pdf/211227_jimurenraku.pdf

ただしこちらの交付金、締め切りが令和4年1月 31 日(月)12:00までとなっており、時間があまりありません。都道府県教育委員会の関係者は早急にご準備ください。

デジタル庁、個人の学習履歴などの教育データをデジタル化する方針

デジタル庁から教育DX(デジタルトランスフォーメーション)の方針が示されました。

政府は学習履歴など個人の教育データについて、2025年ごろまでにデジタル化して一元化する仕組みを構築することになりました。

これは牧島デジタル大臣が、閣議のあとの記者会見で発表しました。

それによりますと、2025年ごろまでに個人の学習履歴や授業の出欠状況など、教育データをデジタル化して一元化するとしています。

こうした教育データを学校や教育機関が共有し、教育の向上につなげたいとしています。

そして、2030年ごろまでに本人が閲覧できるようにし、生涯学習などに役立てられるということです。

牧島大臣は「子どもたちの個性を伸ばすことができるよう、教育の現場でデジタル化の環境を整備し、具体的な政策として進めていきたい」と述べました。

学習履歴のDXはeポートフォリオで一度頓挫しているので、デジタル庁がどのように進めていくのか注目しています。