禁止ワードではなく「増やしたい行動」の声がけをしよう

教室では「〜〜禁止」の張り紙をよく見かけます。ICT端末の利用ルールを見ると、「〜してないけません」といった禁止事項が羅列されていることは珍しくありません。先生の立場として気持ちはとてもよく分かりますが、コーチングや脳科学的には実は逆効果なのです。生徒への声がけは、禁止ワードではなく「増やしたい行動」の声がけをすることをお勧めします。


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原因論と目的論

原因論とはアドラー心理学に登場する専門用語で、「なぜそんなことが起きてしまったんだ?」と真っ先に原因を追求してしまう思考パターンを言います。一方、原因論の対義語は目的論で、「目指すべき本来の目的に焦点を当てて物事を考えよう」という思考パターンです。ケースバイケースではありますが、コーチングのベースは目的論です。

「増やしたい行動」の声がけをする手法は目的論になります。そして、生徒に禁止事項を伝えて行動を抑制しようとする手法は、もちろん原因論の考え方になります。原因論自体は悪いことではないのですが、注意しなければならない問題があります。というのも、「脳は否定形を理解できない」と言われているからです。

例えば野球の試合をイメージしてみてください。監督が「三振したらグランド10周!」と選手に声がけをしていたらどうでしょうか。「三振するな」という否定系の声がけですが、脳は否定系を理解できないため、選手は「三振」という言葉のイメージに囚われてしまい、結果として三振しやすくなる、という理論です。

この理論の元となった論文はこちらになります。

通称、シロクマ効果と呼ばれている現象で、「シロクマのことを考えないでください」と言われると、逆にシロクマのことを考えてしまうというものです。

このことから人間には「否定形で物事を指摘されると、それをより意識してしまい、むしろ否定形で考えた行動をしてしまう」という傾向が少なからずあることが分かります。もちろん全てにおいて当てはまるわけではありませんし、原因論が効果的なシチュエーションはとても多いです。ようは使い分けです。

もし「禁止事項を口を酸っぱくして伝えているのに、生徒の行動が一向に変わらない」と悩んでいる先生がいましたら、「増やしたい行動」の声がけをするという目的論を試してみてください。原因論と目的論については、コーチングの平本先生のYouTubeがおすすめです。