先生のための Weekly 教育ニュース(3/29〜4/4)

毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「国が進める今後のオンライン教育の方向性について取りまとめ」「教師のバトン プロジェクトの炎上」「情報科の免許を持たない教員が授業を行う自治体 7割超」「共通テスト記述式、断念が濃厚」について取り上げています。


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国が進める今後のオンライン教育の方向性について取りまとめ

GIGAスクール構想による一人一台端末環境に向けて、河野規制改革担当大臣と萩生田文部科学大臣が「教育現場におけるオンライン教育の活用」について取りまとめを行いました。国が進める今後のオンライン教育の方向性になるため、教育関係者はチェックしておきましょう。

具体的な提言内容が文部科学省のホームページにアップされていますので、時間のある方はこちらも目を通しておくと理解が深まります。

「教育現場におけるオンライン教育の活用」(令和3年3月29日)

ちなみに個人的な注目箇所は、資料の「(2)不登校児童生徒、病気療養児に対する学びの保障」と「(3)高等学校におけるオンライン教育」です。将来の学校間で差が出てきそうな箇所ですが、子供たちのためにも積極的な取り組みが広まることを願っています。

#教師のバトン プロジェクトの炎上

文部科学省が3/26にスタートしたTwitterハッシュタグを使った広報施策「#教師のバトン」プロジェクトが炎上しています。

個人的な意見ですが、このプロジェクト自体は悪くはなく、むしろ現場の本質的な課題が明るみにでたことで有意義だったと思います。

先日の文部科学省の会見では、萩生田文科相もそのポイントをしっかり意識して発言されていました。「#教師のバトン」で出てきた不平・不満は、改革への動きにつながっていくと期待しています。

実際、文部科学省からも炎上している状況について素早い回答が出されています。しかも「note」を使ってです。(文部科学省も変わりつつありますね。)

萩生田文科相も「#教師のバトン」について発信していますので、こちらもどうぞご覧ください。

情報科の免許を持たない教員が授業を行う自治体 7割超

3月30日、文部科学省は2022年度から高校1年生が使う教科書の検定結果を公表しました。新しい学習指導要領に対応した初めての高校教科書で、新科目の「歴史総合」「公共」「情報I」が含まれています。

特にプログラミングを学ぶことになる「情報I」については、とても不穏な気配を感じています。例えばこちらの記事。

教員の負担を軽くする配慮には大賛成なのですが、その結果として「学ぶべき内容を学べない高校生」が出てきてしまう可能性を感じています。特に「生徒同士で議論させたり活動させたりする内容が多ければ、専門知識のない教員でも授業は成り立つ」という考え方には同意ができません。

実際、情報科の免許を持たない教員が授業を行う自治体が7割超という報道もされています。

教育員会と各学校は、情報教員の採用と育成、研修、外部人材の登用、EdTech活用などの対応が求められます。私もICT・教育コンサルタントとして、現場の先生と学校をサポートしていきたいと考えています。

共通テスト記述式、断念が濃厚

大学入試の在り方を議論する文部科学省の有識者会議は2日、記述式の出題は大学の個別入試で促す方向でおおむね一致した。大学入学共通テストでの実施は、採点の正確性や公平性といった課題の解決が容易ではなく、現実的ではないとの意見が大勢を占めた。2022年度からの高校の新学習指導要領で学んだ高校生が受ける25年1月以降の共通テストでの記述式導入は断念が濃厚となった。

文科省は、新指導要領に対応した出題教科・科目の再編などとともに、今夏までに正式決定する見通し。

共通テスト記述式、断念が濃厚