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オンライン授業が広まった後の不測の事態に備えよう(2)

昨日の続きです。多くの学校がオンライン授業を導入し始めると、今までに無かった問題が浮上する可能性があります。それは、家庭でのインターネット通信の不具合です。このような事態を想定して、学校の管理職の先生は今のうちに動いておくと良いでしょう。この際の基本的な考え方は、脱工業化社会のコードである「分散化」がポイントになります。具体的な対応策と一緒にみていきましょう。


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具体的な対応策としては、次の3つをお勧めします。

  1. zoom以外サービスを使ったオンライン授業の検討
  2. 講義動画の配信準備
  3. 生徒一人一人にクラウドIDを付与(Google classroomがお勧め)

一つ目は、zoom以外のサービスを使ったオンライン授業の検討です。zoomは非常に使い勝手の良いサービスです。特に生徒のzoomアカウントを発行する必要がないのが嬉しいですよね。そのぶん、多くの学校がzoomに集中してしまいます。zoomのサーバーが落ちてしまった場合を想定して、zoom以外でもオンライン授業ができる用意があると安心ですね。サービスの候補は、GoogleハングアウトやMicrosoft Teams、skype などがあります。

二つ目は、講義動画の配信準備です。オンライン授業のスタイルが講義型授業であれば、講義動画をYouTube(限定公開)などにアップすることを検討してみてください。講義動画であれば、アクセスが集中してインターネットが繋がりにくい日中を避けて、生徒は好きな時間に講義動画を見ることができます。しかも動画なので、わからないところを繰り返し再生することもできます。サービスの候補は、YouTubeやVimeoなどがあります。

三つ目は、生徒一人一人にクラウドIDを付与することです。クラウドなら何でも良いわけではなく、具体的にはGoogle classroomやOffice365などになります。クラウド上のプラットフォームで先生と生徒がやりとり出来ることがポイントです。このようなクラウドサービスがあれば、休校中でも課題の提出や添削、小テスト実施、掲示板上での生徒同士のディスカッションなども可能になります。

多くの学校では、休校中の家庭学習教材に「紙の宿題プリント」を大量に用意していると思います。クラウドサービスがあれば宿題プリントの印刷は不要ですし、休校中でも好きなタイミングで宿題・課題を追加することができます。これだけ便利なクラウドサービスが、学校向けでは基本無料になります。学校が再開した後も間違いなく使えるサービスなので、本当にお勧めです。

さて、これらの3つの対応策は、様々なものを「分散化」していることにお気づきでしょうか。まず一つ目の「zoom以外のサービスを使ったオンライン授業の検討」では、利用サービスがzoomに集中する状況を分散化しています。二つ目の「講義動画の配信準備」では、生徒が学習する時間帯を分散化しています。そして三つ目は、生徒の学習方法の分散化(個別最適化)になります。(続く)