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エンジニアという職業

土曜に参加した交流会での出来事です。子供たちの将来を考えたとき、一番安泰そうな職業は何かという話題になりました。ある小学校の先生はエンジニア(=プログラミングを仕事とする人)とおっしゃいました。それを聞いた私は、思わず「そんなことはない」と強く否定してしまいました。


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交流会という場で相手の意見を否定してしまったことは反省しつつも、「エンジニアが安泰」という考えを教員や保護者が持つのは危険だと私は思っています。私自身のエンジニアとしての経験から言うと、エンジニアは人を選ぶ職業です。そして、競争が激しい仕事でもあります。

プログラミング教育の必修化によって、少なからずエンジニアの人口は増えていくでしょう。人口が増えたエンジニア同士で、激しい競争が起こるわけです。この競争には、インドなどの海外の優秀なエンジニアも参戦します。産業界と勝ち組のエンジニアにとっては良い話です。しかし、競争に勝てなかったエンジニアはどうなるでしょう。労働単価は下落し、下請けのつまらない仕事をやり続ける人生を送ることになりかねません。

プログラミングを好きでもない子供が、将来安泰そうだという理由だけで(一昔前の公務員を志望するのと同じような理由で)エンジニアを目指すのは、本当に危険だと思います。

慌てて補足しますと、エンジニアは大変やり甲斐のある仕事でもあります。仕事はクリエティブですし、最先端のテクノロジーにはとても興奮します。日々の仕事はとても楽しいでしょう。(ただし、人を選ぶのです。)

話を最初に戻しますと、「将来エンジニアは安泰そうだ」と教員や保護者が思ってしまうのは、ある意味で仕方がないとも思いました。なぜなら、エンジニアの仕事内容なんて普通は知りませんし、学校ではプログラミング教育の必修化がスタートしますから。でも、それでは子供たちが困ってしまいます。

今書いている「Society5.0は脱工業化社会」の論考がひと段落したら、「プログラミング教育」をテーマにした論考を書いていきたいと思います。