先生のための Weekly 教育ニュース(5/22〜5/28)

毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「文部科学省、教員給与の増額検討」「公立校教員の長時間労働是正に向け、専門家が給特法の廃止を提言」「ニューヨーク市の公立学校がChatGPT禁止を撤回」について取り上げています。


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文部科学省、教員給与の増額検討

文部科学省が教職調整額の支給比率を4%から10%以上に引き上げる案を検討しています。SNSでも話題となっていますが、個人的にはあまり効果が期待されない施策と考えています。教員給与は微増しますが、残業を減らすインセンティブが働かないため、教員の働き方改革には繋がらないでしょう。

教員の長時間労働や各地の学校での教員不足が問題となるなか、文部科学省は22日、質の高い人材の確保に向け、教員の給与アップや学校の働き方改革の具体策について本格的に議論を始めた。自民党が今月、公立学校の教員に残業代を支払わない仕組みを維持しつつ、基本給に一定額を上乗せする「教職調整額」を増やす提言をまとめており、検討の軸になる。

中略

自民党の特命委員会(委員長=萩生田光一・政調会長)が今月10日にまとめた提言には、教職調整額の支給比率を4%から10%以上に引き上げる案が入った。国費で690億円かかる。給特法の改正案を24年度中に国会に提出することも盛り込まれた。

公立校教員の長時間労働是正に向け、専門家が給特法の廃止を提言

劇薬ではありますが、教員給与の増額案より、こちらの提言の方が効果が期待できるでしょう。残業代のための予算が制限されるため、働き方改革を断固として行わなければならないという力が働くからです。

現役教員や専門家らで作る「給特法のこれからを考える有志の会」は26日、公立校教員の長時間労働の是正に向けた提言を公表した。文部科学省や自民党が検討を進める改善案とは大きく異なる内容で、教員に給料月額の4%の「教職調整額」を支払う代わりに残業代を出さないことを定める教員給与特別措置法(給特法)の廃止などを求めた。

 自民党が10日にまとめた提言では、給特法を維持した上で「調整額」を10%以上に引き上げ、管理職や主任の手当を新設する処遇改善策を打ち出した。また、永岡桂子文科相は22日に中央教育審議会に教員の処遇改善策の検討を諮問し、来春をめどに調整額の引き上げなどを含めて一定の方向性が示される方針だ。給特法の廃止には踏み込まない方向で議論が進むとみられる。

ニューヨーク市の公立学校がChatGPT禁止を撤回

アメリカのニューヨーク市教育局(日本でいう教育委員会)は今年1月、公立学校におけるChatGPTの利用禁止措置をとってきましたが、今月に入り禁止措置を撤回しました。世界の教育業界では、ChatGPTなどの生成AIについて禁止vs活用で二分されていましたが、徐々に活用の方へ動き出したように思えます。