毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「公立小教員の採用試験、受験者数が続落」「東京工業大と東京医科歯科大の新名称は東京科学大学」「ゲーム・ネット・スマホが発達障害的な児童を増やすとする文科省調査報告書へ学会が抗議声明」について取り上げています。
公立小教員の採用試験、受験者数が続落
朝日新聞による興味深い調査結果です。教員採用の厳しい現実が数字から伺えます。
公立小学校教員の2023年度採用試験の受験者が、全国で3万8641人だったことが各地の教育委員会への取材でわかった。文部科学省が昨秋公表した22年度採用試験の受験者数より約2千人少なく、教員の長時間労働が問題となるなか、受験者数の減少傾向に歯止めがかからない状況が浮かんだ。大分県では、受験者数の減少により異例の「定員割れ」が起きた。
東京工業大と東京医科歯科大の新名称は東京科学大学
東京工業大と東京医科歯科大の統合後の新名称が「東京科学大学」と発表されました。ネットにはいろいろな意見がありますが、個人的には良い意味でシンプルな名称だと思いました。東工大や医科歯科の名称がなくなってしまうのは少し寂しいですが、これからは東京科学大学の名称が歴史を作っていくことと思います。
2024年度の統合を目指す国立の東京工業大と東京医科歯科大は19日、新大学の名称を「東京科学大学」とし、今月中に文部科学省の大学設置・学校法人審議会に提出することを決定したと正式に発表した。略称は科学大。英語名は「Institute of Science Tokyo」とした。
発表では、新大学が目指す「イノベーション(技術革新)を生み出す多様性、包摂性、公平性を持つ文化」などの実現には、人文・社会科学も含めた「科学」の発展こそが原動力になると強調。多様な人たちをひきつけ、社会からの理解と期待を得るためにも、親しみやすく覚えやすい「科学」を名称に選んだとした。首都であり、国際都市の「東京」に本拠を置く大学であることも示した。
ゲーム・ネット・スマホが発達障害的な児童を増やすとする文科省調査報告書へ学会が抗議声明
文部科学省の調査報告書に対して学会が抗議したとのこと。科学的エビデンスによらない偏見や思い込みに抗議声明が出されるのは良い社会だと思います。
本学会は、文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について (令和4年12月13日)」に抗議をします。文部科学省は、ゲームをプレイすること、インターネット、スマホを使用すること、新聞を読まないことによって発達障害「的」な児童が増えると主張していますが、これは、科学的エビデンスに基づかない記述です。エビデンスに基づいた政策立案と運用が求められる行政府が、このような非科学的な主張をすることは断じてあってはいけません。
本学会は当該文書に含まれる該当箇所の削除または訂正を求めます。