先生のための Weekly 教育ニュース(5/9〜5/15)

毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「自民党、いじめに対する新たな懲戒処分創設の提言案」「千葉市教育委員会、教職員から児童への性暴力、学校側調査を禁止」「和歌山の私立学校にて校長除く全教職員が授業取りやめストライキ」について取り上げています。


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自民党、いじめに対する新たな懲戒処分創設の提言案

自民党の作業チームが、いじめ対応に関する新たな懲戒処分の提言案をまとめました。文部科学省は提言を受けて、具体的な検討を始めるとのことです。現在は加害者の登校を制限する「出席停止」の制度がありますが、手続きが煩雑だという理由であまり活用されていません。提言にある新しい懲戒処分案は、教育委員会ではなく校長権限で行えるようです。

学校でのいじめ対策を検討する自民党の作業チームは、いじめを行った児童や生徒に対し、段階的な措置を講じられるようにするため、校長の権限で学校の敷地に入らないことを命じるなどの懲戒処分の創設を盛り込んだ、提言の案をまとめました。

提言の案では、児童や生徒がいじめを繰り返す場合、教育委員会が保護者に対し、出席停止を命じることができる制度があるものの、学校現場で十分に活用されておらず、被害者を守る体制が十分ではないと指摘しています。

このため、指導によって改善が見られない場合などは、いじめを行った児童や生徒に対し、出席停止に至るまでに段階的な措置を講じられるようにするため「教育を受ける権利」との関係を整理したうえで、校長の権限で学校の敷地に入らないことを命じるなどの新たな懲戒処分を創設すべきだとしています。

そして、処分を行う際は、直ちに学校から教育委員会に報告し、学校で適切に記録しておくよう求めています。

また、暴行や傷害などの犯罪に相当する事案などを認知した場合は、学校が即座に警察や児童相談所に通報・相談することなどを求めており、自民党の作業チームは、こうした案をもとに近く提言をまとめる方針です。

千葉市教育委員会、教職員から児童への性暴力、学校側調査を禁止

千葉市教育委員会は、学校内での教職員による子どもへの性暴力の発生時に、学校側による聞き取り調査を禁止することを決めた。今後、被害児童へは児童相談所、加害者側や関係者へは弁護士らでつくる第三者の「危機対応チーム」が実施する。学校側の調査を禁止するのは全国的にも珍しいという。

 市教委によると、これまでは性暴力の問題発覚後の対応として、被害児童や加害教諭への聞き取り調査は、当該学校の職員、市教委教職員課の順で行われてきた。

 しかし、学校側の聞き取りの段階で事実関係が隠蔽(いんぺい)されてしまう恐れがあり、被害者側の不信を招く問題が指摘されていた。このため、市の要請で設置された子どもの性暴力に対する対策検討会は昨年6月、市教委に改善を求めていた。

和歌山の私立学校にて校長除く全教職員が授業取りやめストライキ

学校法人南陵学園(静岡県)が運営する私立和歌山南陵高校(和歌山県日高川町)で、校長を除く全教職員23人が、4月分の給与が支払われていないことなどを理由に11日の授業を取りやめた。教職員によるストライキは異例。教職員側は法人側に説明会の開催を求めているが、時期は固まっておらず、対立解消の見通しは立っていない。