先生のための Weekly 教育ニュース(2/1〜2/7)

毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「東京・神奈川の中学入試がスタート」「公立小の教員採用倍率過去最低」「全国一斉休校の影響検証のための大規模調査に着手」「35人学級法案を閣議決定」について取り上げています。


【スポンサードリンク】

東京・神奈川の中学入試がスタート

今月2月1日から東京・神奈川の中学入試がスタートしました。新型コロナウイルス対策で取材NGの学校が多いため、例年よりも情報が少なくなっています。

そんな中でも、首都圏模試センターのホームページには貴重な中学入試の取材記事が更新されています。私が取材した記事もアップされていますので、良ければご覧ください。

公立小の教員採用倍率過去最低

今年度、全国で採用された公立小学校の教員の採用倍率は2.7倍と、過去最低になったことが文部科学省の調査で分かりました。来年度から「35人学級」が進められるなか、教員の確保が課題となっています。

文部科学省によりますと、今年度採用された全国の公立小学校教員の試験の受験者数は4万4710人で前の年度より2951人減少し、採用者数も336人少ない1万6693人となりました。

採用倍率は2.7倍で、最も高かった平成12年度の5分の1程度まで落ち込み、過去最低となりました。

なお、一番低かった都道府県は佐賀県と長崎県で、採用倍率は1.4倍でした。想像以上に低くて私も驚きました。

文部科学省もこの問題は重要だと捉えており、対策として「『令和の日本型学校教育』を担う教師の人材確保・質向上に関する検討本部」を令和3年1月19日に立ち上げました。具体的な対策プランは以下の通り。

  • 35人学級を担う教師の確保
    • 小学校の免許状を取りやすくする。
    • 教職の魅力を上げ、教師を目指す人を増やす。
    • 教師として働き続けてもらえる環境をつくる。
  • 社会人等多様な人材の活用
    • 学校現場に参画する多様なルートを確保する。
  • 教職課程の高度化と研修の充実
    • 新しい時代を見据え、教員養成の在り方を大学の自由な発想で検討・構築し、他の大学を先導する。
    • 一人一台端末が導入される教育環境の変化を踏まえ、教師のICT活用指導力を一層向上させる。
    • 教職課程を置く大学自身が定期的に自らの課程を見直し、時代やニーズに合った課程を構築する。
    • 現職教員が学校現場を取り巻く変化に対応して学び続ける環境を充実する。
  • 教員免許更新制の在り方の見直し
    • 必要な教師数の確保とその資質能力の確保が両立できるあり方を総合的に検討

これを機に、「学校における働き方改革の推進、教師の処遇の在り方等の検討」が進むことを願っています。

全国一斉休校の影響検証のための大規模調査に着手

全国一斉休校が小中学生の学習や心理面に与えた影響を検証するため、文部科学省が大規模調査を実施することになりました。

調査はまず、小中学校各4000校程度を抽出。先月、計約8000校の校長を対象に、休校中に学校が出した家庭学習の課題や、児童生徒とのコミュニケーションの状況などを尋ねるアンケートを実施した。アンケートでは、再開後の児童生徒の様子についても質問。▽遅刻や早退▽不登校▽いらいらしている▽学習の遅れへの不安を訴える―といった問題を抱える子どもが増えているかどうかを分析する方針だ。

2月中旬には、抽出校の小5と中2を対象に、児童生徒本人とその保護者へのアンケートも実施。休校中や再開後の学習状況、心理面や体調の具合、家族構成や保護者の就労状況などについて尋ねる。

全国一斉休校の影響検証 学習・心理面を追跡調査―文科省

非常に重要な大規模調査になりますので、しっかり実施してもらいたいですね。将来的に、このようなデータを参考にした政策立案(EBPM)が日本でも行われることを期待しています。

35人学級法案を閣議決定

政府は2日、公立小学校の1学級当たりの上限人数を35人とする義務教育標準法改正案を閣議決定した。現行は小1のみ35人で、小2~6は40人。2021年度に小2を35人とし、その後学年ごとに順次引き下げ、25年度に全学年を35人とする。上限の一律引き下げは約40年ぶり。

35人学級政策は教員の質確保とセットで取り組む必要があります。教員の働き方改革や外部人材の活用を進めていくことが急務です。