毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「文部科学省、通信制高校の設置認可の基準例を通知」「金融教育を推進へ、改正法が可決・成立」「OpenAIのCEO電撃解任事件、復帰で決着」について取り上げています。
文部科学省、通信制高校の設置認可の基準例を通知
昨年、文部科学省の「令和の日本型学校教育」の実現に向けた通信制高等学校の在り方に関する調査研究協力者会議にて、通信制高校に対する様々な規制が検討されていました。それが今回、通信制高校の設立に必要な基準例として正式に公表されました。
通信制高校の新設が相次ぐ中、文部科学省は都道府県が設置を認可する際の基準の例を初めて示し、全国に通知しました。広域に展開する場合はサテライト施設のある自治体の基準も考慮することなどを盛り込み、適正な認可を行うよう求めています。
中略
この中では、本校以外で面接指導を行うサテライト施設への指導監督が行き届いていないという指摘を受け、広域に展開する場合はその自治体の意向や基準も考慮することなどを盛り込んでいます。
このほか、定員は学校が用意している指導体制や設備を踏まえた適切な数にし、面接指導は少人数を基本として40人を超えないよう設定すること、サテライト施設でも実験や実技などを行う際は運動場や設備を確保し、法律に基づきいじめ防止の基本方針を作成することなどを示しています。
通信制高校の設置認可の基準例は、こちらになります。
設置認可の基準例として、個人的に注目しているのが次の3点です。
実施校における通信制の課程に係る副校長、教頭、主幹教諭、指導教諭及び教諭の数は、5又は当該課程に在籍する生徒数(新たに設置する通信制の課程にあっては、当該課程に在籍する生徒の見込数)を 80 で除して得た数のうちいずれか大きい方の数以上とし、かつ、教育上支障がないものとすること。ただし、教諭は、特別の事情があり、かつ、教育上支障がない場合は、助教諭又は講師をもってこれに代えることができ、実施校に置く教員等は、教育上必要と認められる場合は、他の学校の教員等と兼ねることができること。
各教科・科目及び総合的な探究の時間、特別活動は、高等学校学習指導要領におい て定める添削指導の回数や面接指導の単位時間数の標準を踏まえた、十分な指導回数を確保すること。
添削指導に用いる課題については、知識・技能のみならず、思考力・判断力・表現 力等を育む観点から、文章で解答する記述式を一定量取り入れること。
基準例には、「生徒80人に教員1人」を担保すること、添削課題に一定量の記述式を取り入れること、そして通信制高校が特例で免除されていた「1単位あたりの学習時間」が婉曲的に制限されることが込まれています。
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金融教育を推進へ、改正法が可決・成立
幅広い世代を対象に、金融教育を進めるための新たな認可法人の設置や、上場企業に公表を義務づけている「四半期報告書」の廃止などを盛り込んだ「金融商品取引法等の一部を改正する法律」が、20日の衆議院本会議で可決・成立しました。
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OpenAIのCEO電撃解任事件、復帰で決着
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この一連の騒動は、OpenAI内での「AIの急速な発展に対する倫理的な懸念」がきっかけだったようです。この事件が、将来的に歴史を振り返った際、好ましい展開だったのか、そうでないのかは現時点では不明です。しかし、一時は不安定だった状況が収束しました。この騒動についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事と動画をご覧ください。